沖縄本島北部の“奇跡の森”とも呼ばれる「やんばる」。この地が、間もなく、世界自然遺産に登録されようとしています。
やんばるの森は、国内最大級の亜熱帯照葉樹林。この“亜熱帯照葉樹林”の森は世界的にも数が少なく、それがやんばる特有の生態系の基盤になっているというので、その生態系の世界を少し覗いてみましょう。
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やんばるを代表する生物「ヤンバルクイナ」
やんばるといってすぐに思い浮かぶのは、「ヤンバルクイナ」でしょうか。国の指定天然記念物にも登録され、ここやんばるにしか生息していません。
1981年に新種として発見されたヤンバルクイナですが、1986年に約1,800羽、2005年の調査では約720羽と推定されました。激減した大きな原因は、マングース。行政の主導でマングースの防除作業を行い、2014年頃には1,500羽くらいまで回復しましたが、いまだに絶滅危惧種のレッドリストに名前が入っています。
貴重な鳥類の鳴き声に癒やされる
沖縄県の鳥にも指定されている「ノグチゲラ」もよく知られています。こちらも国指定の天然記念物で、やんばるのみに生息するキツツキの仲間です。
ノグチゲラの全長は約30cm、翼の長さは15~17cmほどの大きさで、直径が20㎝以上の大木に樹洞を掘って巣を作ります。4~5月に産卵すると、程なく5~6月には巣立ちをします。やんばるで耳を澄ますと、ノグチゲラが木をつつくドラミングの音が聴けるかもしれません。
やんばるにすむ鳥類としては、他に、春になるときれいなさえずりが響き渡る「ホントウアカヒゲ」、夜の森に“コホーッ、コホーッ…”と鳴く「リュウキュウコノハズク」、そして、もう1種のキツツキ科の鳥として「リュウキュウコゲラ」も名を連ねます。
豊富な生態系と生物多様性がやんばるの宝!
昆虫も固有種が生息しています。「ヤンバルテナガコガネ」はやんばるの名を冠したこのエリアのみに生息する目コガネムシ科の昆虫。こちらも絶滅危惧種に指定されていて個体数も分からない貴重な種、オキナワウラジロガシの大径木が生育する自然林に生息しています。長い前肢が特徴です。
羽の裏の模様が枯葉のようになっていることから命名された「コノハチョウ」はタテハチョウ科のチョウの仲間。暑い地域にしか生息しておらず、沖縄本島のほか、沖永良部島(おきのえらぶじま)、石垣島、西表島、徳之島などの島々でも見られます。
今回、やんばるが世界自然遺産の候補地に選定された理由は、「生態系」と「生物多様性」。奄美大島と徳之島、沖縄本島、西表島は、かつて大陸と地続きになっていた歴史の中で生き物が独自の進化、多様化して、絶滅危惧種なども多く生息しています。この点が評価されました。
さらに、世界自然遺産に登録されるには、「顕著で普遍的な価値を有すること」「その価値が将来にわたって守られること」の2点が重要です。
これからも美しい沖縄のために、この自然を大切に未来へとつないでいきましょう。
オリオンビールの取り組み
2016年、オリオンビールは、やんばるの森が国立公園に指定されたことを記念して、このやんばるの自然を守る機運を高めようと「オリオンドラフトやんばる国立公園記念デザイン缶」を発売しました。今回ご紹介したヤンバルクイナやノグチゲラなど、数多くのやんばるの動植物が商品パッケージに描かれています。
やんばるの水仕込みの「オリオン ザ・ドラフト」で乾杯しましょう!
この自然豊かなやんばるの水、実は沖縄県内一の軟水でもあるんです。オリオンビールの代表銘柄「オリオン ザ・ドラフト」は、ビールに適したやんばるの水仕込み。沖縄の大自然の風景に思いを馳せながら、味わってみてください。