沖縄には島独自の季節感があり、それぞれ沖縄の言葉で名前がついています。今回は、その中でも飲食店名や商品名などにも使われていて耳にすることが多い、「うりずん」という季節について調べてみました。
「うりずん」とは、どんな季節?いつ頃のことを指す?
「うりずん」という言葉の意味は諸説ありますが、一説には、
―沖縄の旧暦2、3月の頃を指すおもろ語。農作物の植え付けにほどよい雨が降るので、大地の豊穣をイメージさせるような五感がある―
とされています。
旧暦の2月から3月ころということは新暦でいうと毎年3月から4月ごろにあたります。この時期は、本州でいうところの初夏に入る前の春真っ盛りの時期になりますね!
その頃の沖縄は平均気温が20℃前後となり、暑くもなく寒くもない、とても過ごしやすい季節を迎えます。
本州と比べると1年中温暖なイメージがある沖縄ですが、実際には島独自の季節の変化があります。うりずん前の12~2月は沖縄も冬の季節。気温は1年で最も低く、天気も崩れがちになります。そこからだんだん温かくなり、3月に入ると各地では海開きが行われ、気持ちの良い晴れの日が多くなっていきます。うりずんの時期を過ぎる5月のゴールデンウィークの頃から沖縄は梅雨に突入していきますので、うりずんの時期は1年の中で最も過ごしやすい季節だともいえます。
うりずんは観光に訪れるにも最適な季節!
うりずんの沖縄は過ごしやすい時期で、天候も良いので、沖縄旅行にも絶好の季節です。平均気温が20℃前後なので服装は薄手の長袖にサンダルなどでOK。日差しが強い日も増えてきますので、サングラスを持参することもおすすめします。
また、3月に入ると各地で海開きが行われます。泳ぐにはまだ少し水温が低いかもしれませんが、4月に入ると海開きをするビーチも増え、ホテルのプールなども営業が開始されますので、天候によっては海やプールで泳ぐことも可能です。
うりずんの季節は花々が芽吹く時期でもあります。この時期はテッポウユリが特に美しく咲いているので、こちらもお見逃しなく。さらに、さまざまな食材も旬をむかえます。中でもおすすめしたいのが、カツオ。日本で一番早い初カツオが味わえるのもこの頃です。
紹介記事:3月に食べたい!沖縄の旬の食材&おすすめ料理、4月に食べたい!沖縄の旬の食材&おいしい食べ方
うりずんの季節に行う沖縄の行事「清明祭」
「清明祭」は沖縄で“シーミー”と呼ばれる伝統行事。旧暦の3月の清明の節気に行われ、2022年は4月5~19日がこの期間にあたります。
シーミーは本州でいうところの“お盆”のようなもので、祖先を供養するお祭りのこと。沖縄ではお盆や正月に次ぐ大切な行事です。お墓の前に一族が集まり、料理やお酒をお供えして先祖を供養し、その後は皆でお供えにした料理を囲みます。
紹介記事:「清明祭(シーミー)」お墓の前でピクニック? 沖縄で大切にされている先祖供養の一大行事
「うりずん」にちなんだものをあれこれ調査してみました!
冬が過ぎ去り大地に命が芽吹く「うりずん」の季節は、生命力や新たな始まりを思わせるのか、店名やイベント名、島唄のタイトルなどで「うりずん」という言葉を使用しているものが多々あります。ここでは、そんな「うりずん」にちなんだあれこれを調査してみました。
うりずんにちなんだ食材「うりずん豆」
四角豆のことを沖縄では「うりずん豆」と呼びます。諸説あるようですが、沖縄ではうりずんの季節に栽培を始めるため、この名前が付いたといわれています。
うりずんにちなんだ島唄「うりずんの詩」
八重山民謡の大家・仲宗根長一による島唄「うりずんの詩」は、冬が過ぎ去り夏がやって来るこの季節を、生き生きと歌い上げています。
春の花々を愛でる「うりずんの花祭り」
3~5月にうるま市にある「ビオスの丘」で開催されるイベント。うりずんの季節にあたるこの時期、園内に咲き誇る花々を見学することができます。
“うりずん”といえば沖縄ではここ!「古酒と琉球料理うりずん」
店名に「うりずん」という言葉を使っている店は多々ありますが、最も有名なのが那覇市安里(あさと)にある居酒屋の「うりずん」でしょう。沖縄が本土復帰した1972年に創業したという老舗。うりずんという店名が、沖縄が新たに芽吹いた創業当時の時代感をイメージさせてくれます。
参考文献:『沖縄コンパクト事典』(琉球新報社)
参考サイト:JAグループ、おきなわ物語、ビオスの丘、古酒と琉球料理「うりずん」
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