世にお酒好き多しといえども、お酒の世界全般に通暁しているという人はそれほど多くないかもしれません。
お酒は人類が誕生して以来その発展に寄り添ってきた食文化のひとつ、種類は限りないほど多いのがその理由です。
和食がユネスコの無形文化遺産に認定されて以後、日本酒の知名度も世界的に上がりました。
ビールやワインなど、世界的に消費が高いお酒以外にも各国や地域でさまざまなお酒が造られています。
そこで今回は、世界のさまざまな種類のお酒の概要をご紹介します。
お酒は大きく分けて3種類
私たちが普段目にするお酒のタイプには、大別して3種類存在します。
「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」がその3つで、混成酒は醸造酒や蒸留酒に香料などを追加して作るお酒です。
リキュールやカクテルは混成酒の代表といえます。
一般的に高い消費を誇るビールやワインは、醸造酒のカテゴリーに含まれています。
醸造酒は、穀類や果実などを発酵させて作るお酒です。清澄化やろ過をのぞいては、発酵以外の二次加工は行わないのが特徴です。
一方で、ウィスキーやブランデーに代表される蒸留酒は、醸造酒や醸造かすなどをさらに蒸留して作るアルコール分が高いお酒です。
醸造酒のビールには蒸留酒のモルトウィスキーが、醸造酒の白ワインには蒸留酒のブランデーが、といった具合で伝統的な醸造酒には対応する蒸留酒が存在することが多いのです。
醸造酒の種類
醸造酒には、ビール、ワイン、日本の清酒、紹興酒などがあります。アルコール度は、3~20℃。蒸留酒と比べると低めですが、種類によってアルコール度も千差万別といってよいでしょう。
醸造酒は、単発酵と複発酵の2種があります。
前者は原料に糖分がしっかり含まれているため、酵母を加えるだけでアルコール発酵が可能なものを指します。ワインの原料であるぶどうには、発酵のために十分な糖分が含まれているわけです。
複発酵は逆に、米や麦など糖分が少ない原料を使用するためでんぷんを糖分に変えたあとに発酵させる手法を指します。
単発酵の代表はワイン、複発酵にはビールや日本酒があります。
蒸留酒の種類
有名な蒸留酒としては、ウィスキー、ブランデー、ウォッカ、焼酎、ジンなどがあげられます。
大人のお酒というイメージがある蒸留酒は、一般的にアルコール度が20~60℃と高めです。
アルコール発酵させて作るもろみを蒸留して生産される蒸留酒、ウィスキーは大麦やとうもろこしを、日本を代表する焼酎はさつまいもや麦を原料としているのはよく知られています。
ワインは最も古いお酒?
ワインの歴史
人類がもっとも古くから作っているお酒といわれるワインは、紀元前7000年ごろにはコーカサス地方で作られていたことがわかっています。
メソポタミアやエジプト、ギリシアやローマといった古代文明社会では、ワインは宗教と結びついて重要な役割を果たしてきました。
キリスト教社会でも重要度は変わらず、赤ワインはキリストの血の象徴として儀式には欠かせません。
南欧で盛んであったワイン製造は現在、世界中にぶどうの栽培が普及して各国で独自のワインが生産されています。
ワインのつくられ方
熟したぶどうを粉砕機にかけて、酵母を加えて発酵します。
この時、赤ワインは果皮も種もともに発酵します。
何度か発酵を繰り返し清澄化、熟成を進めてワインとなっていきます。
ワインの種類
赤と白、そしてロゼワインがよく知られています。
それぞれのワインには、食事用のテーブルワイン、デザートやアペルティフとして飲むデザートワイン、おめでたい席に登場する発泡性のワインがあります。
アルコール度は11~14℃が一般的です。
日本酒は稲作の発展から生まれた?
日本酒の歴史
米と水を原料とする日本酒の歴史は、稲作の発展とともに生まれたといわれています。
「日本書紀」や「延喜式」には、日本酒と思しき存在が認められていて、少なくとも西暦1000年ごろには現代とほぼ変わらない製法が確立していたというのが通説です。
日本酒は江戸時代には商品化されて、庶民も気軽に飲むようになりました。
花見や雪見など、季節行事を楽しみながら飲む習慣があるのが日本酒の特徴です。
日本酒のつくられ方
日本酒の材料となるのは、米と米麹、そして水です。
日本国産米を用いて日本国内で生産されたもののみ、日本酒と名乗ることができます。米を麹によって糖化し、糖分が発酵して日本酒となります。
日本酒の種類
日本酒には、原料となる米の精米度や醸造アルコールの有無によって9種に分かれています。
最も質が高いのは、精米度を70%まで上げた大吟醸酒です
以下、醸造アルコールを加えない純米酒、精米の割合が60%までの本醸造酒と続いていきます。
これ以外にも、条件によって名称が異なるタイプがあり、価格も質に対応しています。日本酒のアルコール度は22℃未満ですが、15%前後が主流です。
ビールの発祥はなんと紀元前5000年!
ビールの歴史
ビールの歴史は紀元前5000年ごろ、農業が発展した古代メソポタミアのシュメールにさかのぼります。
古代エジプト、ギリシア、ローマと伝えられたビールは、中世の時代にホップが使用されるようになりました。
ワインの原料となるぶどうの栽培が難しいイギリスやドイツ北部でビールの生産は盛んになり、19世紀に化学者パスツールによる低温加熱殺菌法が生まれたことで長期保存が可能になりました。
世界で最も消費されているお酒であるビール、日本での普及は昭和に入ってからです。
日本で販売されているビールのアルコール度は5℃前後が大半ですが、世界各地にはかなり高いタイプもあります。
ビールのつくられ方
大麦、ホップ、酵母、水が主原料のビール。
まずは大麦から麦芽を作ります。デンプンを糖化する酵素を有する麦芽とホップを醸造してビールが完成します。
ビールの種類
長い歴史を持つビールは、非常に多くの種類が存在します。
酵母の種類や生産過程での熱処理の有無、原料やビールの色によってタイプが分けられているほか、世界各国で生まれた高名なビールがそれぞれの特徴からブランド化されています。
まとめ
お酒はまさに人類の歴史とともにあった食文化の一端であり、その中には我々の祖先の叡智が潜んでいます。
グローバル化が進んだ現代は、世界各地で生産されたお酒が味わうことができます。
それぞれの風土を反映するお酒を飲んで、その地に思いをはせるのも一興かもしれません。
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