沖縄本島の中部・沖縄市に“コザ”と呼ばれて親しまれているエリアがあります。現在、コザという地名は存在しないのですが、米軍が旧越来村(ごえくむら)の胡屋地区を“KOZA”と呼んだことをきっかけに、県民もコザと呼ぶようになったといわれています。エリアの区切りも人によってさまざまですが、沖縄市の中心市街地であるコザ十字路から胡屋地区、中の町地区まで広がる文化圏を指すことが多いようです。
このコザのゲート通り沿いに「TESIO(テシオ)」という1軒のシャルキュトリー専門店があります。このたび、オリオンビール公式通販では、TESIOとコラボ。オリオンビールとあわせて楽しんでいただきたい、ソーセージ&ハムのセットを発売しています。今回は、そのTESIOについて紹介します。
TESIOの店主・嶺井大地(みねい・だいち)さんは大学卒業後、「食で沖縄を盛り上げたい」という漠然とした強い思いはあるものの、その手法をどうしようか悩んで悶々と過ごしていました。ある日、友人のアドバイスで京都へ行き、町を歩いていた際、偶然見つけたこじんまりしたソーセージ店のショーケースいっぱいに色とりどりのソーセージやハムが並べられている光景を目にし、嶺井さんの中にあるひらめきがありました。
「沖縄はアメリカ文化の影響からポークランチョンミートをはじめ、ソーセージやハムなど加工肉をよく食べていた地域だと思うんですが、豚肉文化で材料もあるのに、これを加工するところはあまりなかったなと感じました。僕が加工肉を学んで、その技術を沖縄に持ち帰ってお店をやったら、これは僕ならではの表現にならないかな、と思いました」と、まさに長いトンネルから抜けた瞬間でした。
その後、京都、静岡、岡山で加工肉の技術を学んだ嶺井さんは、2017年、叔父がミュージックバーをやっていたコザの街で「TESIO」をオープンします。
「原料は開店当初から店の真裏にある精肉店から仕入れています。私がここで店をやっていること、そして、裏にお肉を仕入れる精肉店があることに何かしら意味があるのだとしたら、この町からソーセージを通して沖縄の食文化の一端を発信していくということに意味があると思っています。それからはそんな“偶然の出会い”を大事にしていて、僕があちこち歩いてソーセージの素材を集めてくるよりも、日々の営みやご縁の中から提案される素材をレシピに反映させています。計算されていない、営みや成り行きの中でものづくりをしています」と、そのスタイルは熱い嶺井さんとは正反対のように自然体です。
嶺井さんのソーセージは、ドイツ製法を基調としながらも、ドイツのソーセージのようにレシピがきっちり決められたものではなく、料理的なアプローチからソーセージを作る創作的なフランス製法のソーセージをミックスしたようなスタイル。TESIOには創意工夫されたさまざまなソーセージやハムが常時20種類以上、ショーケースに並んでいます。
開店から2年が経過した2019年、嶺井さんに転機が訪れます。毎年ドイツで開催され、140年以上の歴史のある食肉加工の国際見本市「IFFA(イファ)」のコンテストが日本で開かれることになって、TESIOは3品をエントリー。「味」「見た目」「食感」「香り」など100項目以上の項目で満点にしか与えられない「金賞」を2つ、2点だけ原点された「銀賞」を1つという、まさに快挙を成し遂げました。
「1つは『ビアシンケン』というドイツで長く食べられているドイツの味わいのもの、2つ目は『ホットドッグフランク』という僕たちのソーセージのスタンダードな味わいのもの、3つ目は『サムライ』というワサビとライムがきいている日本的なもの、この3品を出品しました。『ビアシンケン』が受賞したらドイツの伝統製法を守れているという証明になる。『ホットドッグフランク』が受賞したら僕たちの味わいが認められたことになる。『サムライ』が賞を取れたら僕たちのクリエイティビティーが認められたことになる。3品とも評価を得られたのは思ってもみないことでした。今の僕たちの自信につながっています」と振り返りました。
2022年2月に登場した初のオリオンビールとのコラボセットでは、その金賞に輝いた「ビアシンケン」「ホットドッグフランク」と、沖縄の素材を使用した「大宜味(おおぎみ)シトラスソーセージ」「コーレーグースーのチョリソー」の4品がセットになっています。
※オリオンビールのコラボセット内容は、取材当時の情報です。最新のセット内容は、オリオンビール公式通販をご覧ください。
「今回はオリオンビールさんの商品に合う4品をセレクトしました。『ビアシンケン』の“ビア”はビールのこと、“シンケン”はドイツ語でハム。まさにビールに合うハムなので相性が悪いわけがありません(笑)。『ホットドッグフランク』はホットドッグに合うソーセージを目指して作った、TESIOを知ってもらう入門的なもので、ぜひご挨拶代わりに食べていただきたいです!『大宜味シトラスソーセージ』は柑橘由来の爽やかさがありながらも少しほろ苦い個性的な味わい。『コーレーグースーのチョリソー』は泡盛の風味が感じられて、上品な辛さを出しました」とそれぞれ特徴を表現。
「ソーセージは焼くと脂が落ちて味がギュッとするので、お酒やパンと合わせる方は『焼き』がおすすめ。スモークの香りも立つし、香ばしいです。一方、『ボイル』をすると中のお肉は膨らんで周りの腸は収縮するのでパキッとする。その感じやジューシーな感じが好きだったらボイルがおすすめです。僕のおすすめは「ボイル後、焼き」(笑)。ボイルした後に焼くと、どちらの良さも表現できます! 今回のソーセージはそのまま食べても楽しいですが、スープやパスタに入れてもいいと思います。オリオンビールとのコンビネーションで楽しんでください!」と、おすすめの食べ方まで教えてくれました。
TESIOのソーセージ&ハムとオリオンビールで、沖縄やコザの雰囲気を思う存分楽しんでください。
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「最高にビールに合う、最高の沖縄の食をお届けしたい!」そんな思いで、オリオンビール公式通販では沖縄マリアージュセットを作りました。
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