1429〜1879年の間、沖縄は450年間にわたり、琉球王国という1つの国でした。首里を首都として、東南アジアや東アジア、特に中国と積極的に交易を行ったことは、よく知られています。
その交流によって生まれたものの1つに、現在も県内各地で受け継がれている「織」の技術があります。中でも、首里城の城下町として栄えた首里では、王府の貴族、士族用に色、柄共に究極まで追求された、格調高く、悠々として麗美な織物が今も織り継がれています。
現在は「首里の織物」として沖縄県の重要無形文化財にも指定されていて、「首里織」という名称は、首里に伝わる種々の紋織や、絣(かすり)織物を総称する名称として使われています。
中でも、「花倉織」や「道屯織(どうとんおり)」は王家、貴族専用とされ、首里の地で、士族の中から選ばれた女性だけが織ることを許されていました。そんな格式をも有した織物なのです。
首里織は、絹や綿、麻などの糸を使い、琉球藍、福木、テカチ、シブキ、イタジイ、ソウシジュなどの植物染料や化学染料などで染めていきます。
沖縄の中で最も格式が高い織物は「首里花倉織」で、王家の妃、王女が夏衣として着用しました。花織と絽織(ろおり)を、市松、または菱形模様に織り上げます。
そして、士族以上の役人は、「両面浮花織」「緯浮花織」「手花織」「経浮花織」の4種類がある「首里花織」が着衣として用いられたといわれています。
また、男性の官衣として、平織地の中に部分的に糸の密度を濃くして織られる「首里道屯織」が使用されました。
首里織にはその他にも、絣の原型ともいわれる「手縞」「綾の中」「諸取切(むるどぅっちり)」などの「首里絣」、緯糸を引きそろえて太く織る畝織(うねおり)と両面浮花織を組み合わせた「首里ミンサー」、夏衣の「首里上布」、戦前、上流家庭の夏衣として織られていた「桐板(とぅんばん)」などがあります。
現在、92人の組合員が在籍し、首里織の普及・継承を目的に活動する那覇伝統織物事業協同組合の事務局の方に、「首里織には7つの技法があって、1つの作品に2、3の技法を交えた商品を作ることができるということが首里織の特徴にもなっています。織り手がデザインから染色、織るまでの工程を全て1人でこなすため、着尺、帯、小物などいろいろなものができ上がります。小物やかりゆしウエアなど、最初は日常生活で使用できる商品などを取り入れてはいかがでしょうか。国際通りにある那覇市ぶんかテンブス館では首里織体験もできます」と、アドバイスをいただきました。
海外との交易で仕入れた技法を沖縄の気候風土の中で織り手が育んできた沖縄の織物。特に、琉球王国の王府によって認められた首里織を体験して、その雰囲気を是非生活の中の1アイテムとして取り入れてみませんか。
首里織について詳しく知るには「那覇伝統織物事業協同組合」のサイトを参照 http://shuri-ori.com/
オリオンビールの首里城再建支援の取り組み
オリオンビールでは、一日も早い再建を願い、昨年に続き「ザ・ドラフト 首里城再建支援デザイン缶・びん第2弾」を数量限定で発売します。首里城火災から約1年が経過する中、再建のさらなる気運を高めるべく、オリオンビールでは継続した活動を行っていきます。
1本あたり3円を首里城復興までの期間における、沖縄県民の心に留めるための活動の支援や、チャーギの植樹に活用する予定です。本デザインは第一弾同様、首里城のイラストと首里城の装飾にも使用されている流水紋を紅型風にあしらい、デザイン致しました。
オリオングループでは、県民の笑顔につながるための首里城の再建を心より願っております。
なお、ザ・ドラフトの首里城再建支援デザイン缶は、オリオンビール公式通販でもご購入いただけます。(2020年9月下旬~同年11月下旬の販売期間中、通常デザインとの切替となります)