琉球時代から脈々と継がれる伝統芸能「琉球舞踊」

琉球舞踊とは琉球王国時代から受け継がれる沖縄の伝統芸能。沖縄の歴史と同じく、その時代を反映しながら、たくましくも美しく洗練され、磨き上げられていった沖縄独自の舞踊で、国の無形文化財にも指定されています。

琉球舞踊を観賞してもっと奥深く沖縄の歴史や文化を感じてみませんか？　今回は、琉球舞踊について紹介します。

琉球舞踊とは？

琉球舞踊とは沖縄伝統舞踊のこと。沖縄の歴史と伝統の中で芸術的に確立されていった舞踊で、2009年に国の重要無形文化財にも指定されています。

琉球舞踊は琉球王国時代に冊封使（さっぽうし）や、薩摩在藩奉行の歓待のために創作された「古典舞踊」、1897年以降に創作された「雑踊（ぞうおどり）」、第2次世界大戦後につくられた「創作舞踊」に分類されます。

「古典舞踊」「雑踊」「創作舞踊」…それぞれの成り立ち

「古典舞踊」は琉球王国の踊奉行によって基礎が固められ、その後、当時の芸術家たちによって肉付けされ、磨き上げられていった舞踊です。担い手は士族やその子弟（男性）でした。

洗練された身振りの基本は、古来からの祭祀（さいし）舞踊に由来しています。また、特色として、舞踊に性別とジャンルがあり、おめでたい踊り、子孫繁栄や長寿を主題とした「老人踊り」、元服前の少年の踊り、予祝を主題とした「若衆踊り」、愛情を主題とした「女踊り」、青年の踊り、五穀豊穣を主題とした「二才（成人男性）踊り」に分けられ、衣装や音楽はもちろん、踊りのテーマもそれぞれ違います。

「雑踊（ぞうおどり）」は1879年の琉球王国の解体で禄を失ったかつての王府の古典舞踊の担い手たちが暮らしを立てていくために市井の舞台で披露した舞踊です。

民間に受け継がれていた民謡や風俗を古典舞踊に加えた新しいスタイルの舞踊で、古典舞踊の格調の高さに加え、振りの様式や構成、衣装などに新たな民衆エネルギーが注がれ、民謡芸能として定着しました。

「老人踊り」「若衆踊り」などの区別はなく、何でも取り入れたところから「雑」踊りと呼ばれるようになったとも言われています。衣装も芭蕉布やかすりといった、庶民の生活で使われたものを取り入れています。

「創作舞踊」は第2次世界大戦後につくられた舞踊で、近現代の芸術家たちによって優れた作品が生み出されています。

琉球舞踊の公演を鑑賞できる場

実際に琉球舞踊を観賞したいという人のために、琉球舞踊が見られる場所を紹介します。

国立劇場おきなわ

本格的な琉球舞踊を観賞したいという人は「国立劇場おきなわ」へ。2004年に開業した国立劇場で、沖縄伝統芸能の保存振興を目的としている劇場でもあります。沖縄舞踊はもちろん、沖縄の伝統芸能の公演を行なっていますので、公式サイトで演目を確認し、チケットを購入しましょう。

■「国立劇場おきなわ」に関する情報はこちら

首里城

本格的に琉球舞踊を鑑賞する前に少し体験してみたいという人は、首里城で開催されている伝統芸能公演に出掛けてみてはいかがでしょう。首里城公園の有料区域内にある「世誇殿（よほこりでん）」では1日に3回、各回30分ほどの伝統芸能のイベントを開催しています。琉球舞踊が見られることもありますので、演目をチェックしましょう。有料区域への入場料は必要ですが、伝統芸能の観賞は無料です。

■「首里城」の伝統芸能公演に関する情報はこちら

琉球料理と琉球舞踊を一緒に楽しみたい！

沖縄には琉球料理を味わいながら琉球舞踊を楽しめる店があります。どの店も人気がありますので、公演時間に合わせて予約をしてから出掛けてくださいね。

首里天楼（すいてんろう）

店の3階にある大広間の舞台で行われる琉球舞踊や伝統芸能を鑑賞しながら琉球料理が堪能できる店。国際通りにあり観光客も利用しやすい。舞台は2部制で、ライブチャージ代が必要。事前に予約をしてから出掛けよう。

■「首里天楼」の情報はこちら

琉球料理と琉球舞踊　四つ竹

中国からの使者をはじめ国賓を迎え歓待した要所として歴史に名を刻む那覇市久米にある「四つ竹」は、今も琉球おもてなしの心が生きる邸。宮廷で生まれた高貴な味を真っすぐに継承し、宴の華となる琉球舞踊は正統にて本格、宴の悦を堪能しながらも王朝文化の真髄にふれる場でもあります。プランや開演時間などをウェブサイトで確認して、予約することをおすすめします。

■「四つ竹　久米店」の情報はこちら

今回は琉球舞踊について紹介しました。琉球舞踊は琉球王国時代から優れた芸術家たちによって受け継がれ、洗練され、磨き上げられていった沖縄が誇る伝統芸能です。奥深い歴史や文化を感じながら、艶やかで力強い琉球舞踊の世界にはまってみませんか？