沖縄本島の主要幹線道路である国道58号線。県民の生活はもちろん、沖縄本島の旅でしたら必ずと言っていいほど通行しているのではないでしょうか。
沖縄のお土産品店に行けば、この58号線の国道マークがプリントされたTシャツやスマホケース、ステッカーが売られているなど、国道58号線が沖縄のシンボルの一つになっていることがうかがえます。
ここが国道58号線と指定されたのは、沖縄が本土復帰した1972年の5月15日のことでした。今回は、この国道58号線にスポットを当てます。
国道58号線の起点と終点は、どこ?
この国道58号線の終点は、那覇市の明治橋付近です。那覇空港から向かうと明治橋に入る直前の中央分離帯に「58」と数字が書かれた石碑が立っているのが見られます。
那覇空港の前の道路は国道332号線で、那覇空港から奥武山(おうのやま)公園方面に向かうと、那覇軍港あたりで国道331号線と合流し、明治橋から国道58号線となります。ややこしいですが、那覇空港から那覇うみそらトンネルに入るとそこは国道58号線、そこから続く那覇西道路も58号線となります。
では、起点はどこでしょうか…。北部・やんばるの辺戸岬(へどみさき)…と思っている人も多いのではないでしょうか? 実は、起点は海を渡った先の鹿児島県の鹿児島市内。鹿児島の英雄・西郷隆盛さんの銅像前にある交差点が起点となっています。そう、沖縄と鹿児島を結ぶ海上航路部分も国道扱いとなっているのです。途中の種子島、奄美大島を中継して連絡するので、日本では一番長大な海上国道とされています。
ちなみに、現在では、“ごっぱち”“ごーぱち”などと親しまれている国道58号線ですが、本土復帰前の旧琉球政府の統治下では「旧琉球政府道1号線」、通称“1号線”と呼ばれていました。
もともとはアメリカ軍によって整備されたため、有事の際は滑走路としても利用する想定で作られたと言われています。そのため、国道58号線沿いに今でも米軍基地が数多く点在しています。
国道58号線に点在する観光スポット
幹線道路だけあって、観光スポットへのアクセスも便利です。那覇のバスターミナルから北上していくと、離島の玄関口である泊港を左手にやり過ごすと、おもろまちの入り口、国立劇場おきなわ、そして、沖縄のアイスクリームブランド・ブルーシールの本店と、観光だけでなくショッピングエリアや県民の文化拠点もつないでいます。
中部には、各種イベントが行われる沖縄コンベンションセンター、ビーチや観覧車、おしゃれな店舗が多い北谷町(ちゃたんちょう)のアメリカンビレッジ、嘉手納町や恩納村(おんなそん)にある道の駅、沖縄の伝統工芸が体験できるテーマパーク・琉球村、恩納村のリゾートエリア、そして、観光名所の一つ・万座毛(まんざもう)、ブセナ海中公園など、人気の観光地が続きます。
そして、沖縄自動車道のインターチェンジ・許田を抜けると、いよいよやんばるエリアへ。オリオンハッピーパークのある名護市、大宜味村(おおぎみそん)、国頭村(くにがみそん)と続き、本島最北端の辺戸岬に到着します。辺戸岬をグルッと道なりに進み、少し東へ抜けたところに、国道58号線の沖縄での最北端の碑が。ここからは海上航路部分となり、鹿児島の奄美大島へ向かいます。
イベント会場にもなる国道58号線
この国道58号線はイベントが多く行われることでも有名です。12月に全国からランナーが集まる那覇マラソンは奥武山〜明治橋付近がスタート地点になっています。
また、例年10月には那覇大綱挽が行われ、地元の人に混じって観光客も綱引きに参加します。綱引きが終わると、勝った方も負けた方も分け隔てなく、スタッフによって切り分けられた“綱”をもらう光景がみられます。持ち帰って家に飾ると縁起がいいとされているのですが、そんな“参加賞”的なプレゼントもうれしいですね。
ところで、この那覇大綱挽でも国道58号線に関するエピソードがあります。この那覇大綱挽は交通をシャットダウンしてイベントを行うのですが、その際に道路の中央分離帯を取り除きます。つまり、上下線の道幅いっぱい使って綱引きや旗頭の演舞が行われるのです。この光景も圧巻です!
そして、ツール・ド・おきなわの自転車レースも国道58号線がコースとして使用されます。
国道58号を通ってホテルや観光スポットに向かうと、気分が盛り上がってきますよね。次の沖縄の旅でも、国道58号を使って沖縄のさまざまな魅力を味わってください。
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