オリオンビールでは、「人を、場を、世界を、笑顔に。」をモットーに、首里城再建のためのイヌマキ植樹や将来の沖縄の未来を支える子ども教育支援、美ら海を守るビーチクリーン活動や技術革新を通じた地域貢献など、国連が推奨するSDGsの実現に向けた様々なCSR活動を行っています。
今回はその中の「もっと美ら海を、ずっと。」のテーマのもと実施した「赤土等流出防止イベント」を2つご紹介します。
ひまわりを植えて赤土流出を防ぐ
1つ目は、2021年10月28日(木)に糸満市米須の圃場で行われた沖縄県主催の「ひまわりを植えて赤土等流出を防ごう!~SDGsひまわり播種イベント」です。
沖縄県では雨や台風によって、赤土等が陸から海に流出することにより、県民の財産ともいえる豊かな海域環境を損失させ、農林水産業や観光業へ影響を及ぼしています。こうした赤土等の流出を防止するため、平成7年10月には「沖縄県赤土等流出防止条例」が施行されました。条例施行前に比べると赤土等の流出の全体量は減少しています。平成28年度の推計値では、赤土等の流出源は農地由来が約8割を占めていることから、改めて農地の赤土等流出防止対策が重要となっています。
こうした状況を踏まえて行われたひまわりの種まきイベントでは、気持ちの良い秋晴れの下、主催者を代表して沖縄県農林水産部の崎原盛光部長が、「県では沖縄特有の環境問題である赤土等流出防止対策に取り組んでいます。農林水産部では特に農地における赤土等流出防止対策を推進しています。また、これら対策に取り組む各地の地域協議会への支援の一環で、今回の『赤土等流出防止プロジェクト』を実施しています。今日は元気に種まきをしていきましょう!」とごあいさつ。
「赤土流出防止デザイン缶」の売上の一部を活用
今回、農地からの赤土流出防止を図ることを目的に、農作物を植えない時期、畑の土壌に雨が直接当たらないよう、緑肥ひまわりの種をまきました。成長したひまわりが畑の表面を覆って、降雨による土壌の流出を防ごうとするものです。
オリオンビールは、今年5月、「オリオンサザンスター 超スッキリの青」の「赤土流出防止デザイン缶」が数量限定で販売し、その売り上げの一部を活用して、この緑肥用ひまわりの種を寄贈しました。SDGsの目標の1つ「海の豊かさを守ろう」の達成を目指す初の寄付付き製品で、ご購入いただいた皆さまの想いとともに、緑肥用ひまわりの種まきを実施しました。
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オリオンビールを代表して常務執行役員・人事総務本部長の矢沼恵一は、「オリオンビールでは『もっと美ら海を、ずっと。』というテーマでビーチクリーンなどの社会貢献を展開しています。SDGsにおいても海の豊かさを守ることは目標の1つであることから、沖縄県の赤土流出防止活動に賛同しました。多くのみなさまが赤土流出防止デザイン缶をご購入いただいたおかげでこのプロジェクトに参加することができ、本当にうれしく思っています。改めて深く感謝を申し上げます」とあいさつし、沖縄県へひまわりの種を贈呈しました。
ひまわり畑を夢見て圃場に種まき
参加者は糸満市赤土等流出防止対策協議会の農業環境コーディネーターからレクチャーを受け、種の肥料が手に付かないようしっかりと軍手をして、いざ種まきにチャレンジ!約3000㎡の圃場に、軽く一握りした種を手からふるいにかけるように少しずつまいていきます。
ひまわりの種は、土の上にむき出しのままにしておくと鳥に食べられてしまうため、種まき後はトラクターで土を混ぜながらかぶせていきます。
種まきで爽やかな汗をかいた後は、赤土流出防止プロジェクトのマスコットキャラクター「もっちん」と一緒に記念撮影! 今回まいたひまわりの種は12月下旬には開花する予定で、その際には案内板等を設置し、赤土等流出防止対策の取り組みについてPRをしていくとのことです。
イベント終了後、オリオンビールの参加者に感想を聞きました。
矢沼恵一(常務執行役員 人事総務本部長)
「沖縄にとって海はとても身近な存在で貴重な財産です。それを将来にわたって残していくということは今、沖縄の地に住んでいる我々の責務です。特に赤土の流出を人工物で保護・保全するのではなく、ひまわりという自然の物で自然を保護していくというのは、非常に価値のあることだと感じています。想いを込めて種まきをさせていただきました」
嘉手苅 啓(人事総務本部総務課長)
「ひまわりの種をまいた2か月後にその花が咲くというのは、楽しみが2度あってやりがいがあります。赤土流出防止の役に立てていることを誇らしく思いながら、ひまわりの花を見るのが今から楽しみです」
オリオンビールから寄贈した緑肥用ひまわりの種は90㎏。今回のイベントでは一部が使用され、残りは赤土等流出防止対策を行う市町村(石垣市や恩納村など)で活用される予定です。
ベチバーのグリーンベルトで赤土等流出を防ぐ
2つ目のイベントは2021年11月13日(土)に八重瀬町で行われた「赤土流出問題を考える~グリーンベルト植栽ツアー」です。これはSDGsの推進を目的とする「OKINAWA SDGs プロジェクト(OSP・事務局:琉球新報社、うむさんラボ)」が主催するもので、会員企業や役場、学校など8つの団体や組織から総勢25人が参加。オリオンビールも会員企業として参加しました。土曜日ということでお子さんを連れての参加も多くみられました。
植栽の前に「ミニ講座」と題し、NPO法人おきなわグリーンネットワーク理事長の西原 隆さんから、沖縄の赤土流出のしくみや海への影響、それを防ぐための対策などを学びました。今回のグリーンベルト植栽は、先ほどのひまわりとは異なり、農地の周りにイネ科の植物であるベチバーを植えることで、農地からの赤土等の流出を防ぎ、大切な土壌と海の環境を守る環境保全対策。沖縄県農業研究センターの試験では、59%の赤土等流出抑制効果の報告もあるそうです。また、成長したベチバーは刈って、農地の裸地部分に敷き草(マルチング)として使うこともでき、ひまわり同様、農地の裸地化を防ぐことが可能です。
■スイートコーン畑の周囲にベチバーの苗を植え付け
講座の後は畑へ。スイートコーンやカボチャ、ジャガイモなどを育てる農家の照屋さんによれば、「以前、カボチャ畑でベチバーを植えて敷き草にも使っていて、赤土が流出しにくい効果を感じています」とのこと。ベチバーは管理しなくても枯れにくく、成長が早いのがメリット。実際に6月に植えた照屋さんの畑のベチバーは約4か月で1m50㎝ほどに成長したそう。また、種ができないことから雑草化の心配も少ないとのことで、グリーンベルト用の植物として適しているそうです。
参加者は照屋さんのスイートコーン畑に移動し、シャベルで土を掘り起こしながら、小さなスコップでさらに浅い穴を掘り、ベチバーの苗を15㎝間隔で植えていきました。
家族そろって参加した八重瀬町役場の湾野勇弥さんは、「子供たちと楽しい体験ができていい勉強になりました」と話し、子供たちも歓声を上げながら、スコップを手に楽しそうに植え付けをしていました。
沖縄ヤクルト株式会社の城間太さんは、上司の木脇祐一さんと参加。「会社としてSDGsの取り組みを進めており、今回参加しましたが、実家がカボチャ農家で両親もベチバーについて気になっていたようなので、とても良い体験でした。継続して勉強できたらいいなと思います」と話してくれました。
この日は約600本の苗を植え、最後は参加証明書をもらって記念撮影。子供たちも充実した笑顔でハイチーズ!
最後に主催者にお話を伺いました。OSP事務局の名嘉真智美さん(株式会社琉球新報社)は、「沖縄県のSDGsを推進するため、2020年度に15社からスタートしたOSPは、現在会員59社(団体含む)と約4倍に増えました。活動の特徴の1つが会員同士のコラボで、昨年度はオリオンビールさんが沖縄県と取り組んだ赤土流出防止プロジェクトのサザンスターのデザイン缶や、沖縄のシングルマザーを応援するレキサスさんのウェブデザイン就業プロジェクト「MOM FoR STAR」など、19もの新しい事業が誕生。大きな手応えを感じています。今後もさらに精力的にさまざまな活動を進めていきます」とコメント。
また同じく主催者であるNPO法人おきなわグリーンネットワークの西原 隆さんは、「赤土流出防止対策は農家さんが自分だけでやるには負担が大きすぎます。農家さんを持続的に支援するしくみを作りたいと思っていて、こうしたベチバーの植栽イベントを通じて、多くの企業や団体のみなさんに知っていただき、様々なコラボレーションや支援イベントなど、おもしろいことができればいいなと思っています。この赤土流出防止対策をやりたい!という企業・団体の皆さまと、農家の皆さまの橋渡し役が私たちのようなNPOだと考えています」と今後の課題も含めて話してくれました。
会員それぞれの取り組みが刺激となり、相乗効果が生まれているOSP。これからも連携して沖縄の未来をより良くしていきましょう。みなさん、お疲れさまでした! オリオンビールはこれからも美ら島・美ら海を守る様々な取り組みを通じて、沖縄の皆さまへの貢献に努めてまいります。