オリオンビールが、清涼飲料水のサイダーを販売していたことをご存知でしょうか?
その名も「オリオンサイダー」、沖縄が日本に復帰するちょうど1年前、1971年5月に、その産声を上げました。
時代の流れを受けて「オリオンサイダー」を開発・販売
1971年当時、国内の大手のビール会社がサイダー飲料を開発・販売するという流れが主流でした。ビールの製造工程を効率的に利活用できる点、ビールに比べて比較的小規模で実施できるという点がその原因でした。オリオンビールでもその例に漏れず、労働力の効率化と産業構造を強くすることを目指してオリオンサイダーの開発、販売に踏み切ったのです。
さらに、着色し、甘い味付けにしていたそれまでの清涼飲料水が敬遠されはじめ、自然色に近い「白もの」へと人気が移っていた消費者ニーズの変化を受けて、販売戦略的にも「人工着色のない無害健康飲料」というキャッチフレーズとし、透明で口当たりのやわらかさ、爽やかなイメージが消費者の心を捉えて、人気を博しました。1975年には沖縄を舞台に「沖縄海洋博覧会」が開かれましたが、その会場内でも販売されました。
「オリオンサイダー」はびんから缶へ
その後、時代の流れと共に清涼飲料部門の見直しが計られ、1980年、「オリオン」という商標だけ残して、他社へ委託加工という形で新たに缶入りサイダーが発売されました。これを受けて、1981年、それまで主流だったびん詰めのサイダーの生産が打ち切られることになります。
まだまだあった、オリオンビールの清涼飲料水
ちなみに、オリオンビールが発売した清涼飲料水としては、1981年4月には、100%濃縮還元の「オリオントマトジュース」を発売。こちらは160g入りのミニサイズ缶でした。主に沖縄県内の飲食店向けの流通ルートで販売されていたので、過去お店でご覧になった方もいるのでは!? さらに、同年9月には、「オリオンつぶつぶみかんジュース」も発売しました。
36年ぶりに復刻!レトロデザインに、甘さ控えめの「オリオンサイダー」を味わってみませんか?
1988年まで缶入りのオリオンサイダーがライセンス発売されていましたが、そちらも終売。36年の時を経て、2017年には緑色の瓶やラベルは当時のままで、甘さ控えめのすっきりした味に仕上げる形でオリオンサイダーを復刻して、14,000本の数量限定で発売しました。
その後も「オリオンサイダー」はライセンス商品として製造されており、沖縄県内各地で販売されています。
2022年は沖縄が本土に復帰して50年となる節目の年。そんな歴史的背景を感じながら、三つ星パッケージのオリオンサイダーを味わってみませんか?