2022年5月15日(日)、沖縄の施政権が日本に返還されて50周年を迎えます。沖縄県内をはじめ、全国各地で歴史的節目の年を記念すると共に、沖縄県の一層の発展を祈念し、さまざまな催しが企画されています。今回は、すでに開催中のイベントも含め、いくつか紹介します。
この記事では現時点で開催予定のイベント情報を掲載しておりますが、コロナウイルスの状況等により変更になる場合があります。開催状況は各イベントの公式サイト等をご確認ください。
そもそも沖縄の“復帰”ってどういうこと?
イベントを紹介する前に沖縄が50年前までは日本に施政権がなかったその背景を説明します。
1939年から6年間続いた第2次世界大戦。1945年に日本政府がポツダム宣言に調印し、敗戦国となってから7年間にわたり、アメリカの占領下に置かれました。1952年に発効されたサンフランシスコ平和条約により、日本は敗戦後の占領から独立しましたが、沖縄は引き続きアメリカの施政権下に置かれ、その後、1972年5月15日に日本に復帰しました。
アメリカ施政権下当時の沖縄はアメリカドルが使われ、本土と沖縄間の移動にはパスポートが必要で、道路も右側通行という暮らしでした。
50周年を記念したイベントをチェック
2022年の復帰50年にあたり、大小さまざまなイベントが予定されています。今回はオリオンストーリー編集部がセレクトしたものを紹介します。
沖縄復帰50周年記念式典
2022年5月15日(日)14:00から、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターにて「沖縄復帰50周年記念式典」が行われます。こちらは一般参加は不可とのことですが、式典の様子は動画サイトで配信の予定。
式典は、沖縄と東京の2会場で計2,600人が招待されるそうです。岸田文雄首相は沖縄会場、天皇皇后両陛下はオンラインで出席予定です。
また、式典開催に伴い周辺道路は一時的に交通規制が行われますので、当日の交通状況にはお気を付けください。
美ら島おきなわ文化祭2022
演劇、吹奏楽、美術作品などさまざまな芸術を、全国規模で発表・共演・交流する文化の祭典「美ら島おきなわ文化祭2022 第37回国民文化祭 第22回全国障害者芸術・文化祭」。2022年は沖縄で初めて開催されます。本土復帰50周年ということもあり、統一名称を「美ら島おきなわ文化祭2022」とされ、沖縄文化の魅力を県内外に発信していきます。
期間は2022年10月22日(土)~11月27日(日)。期間中は沖縄県内各地でさまざまなイベントや展示、演芸などが開催されます。
また、オープニングイベントは、10月22日、那覇市のパレットくもじ前交通広場などで実施。ステージパフォーマンスや沖縄の食文化、工芸などをテーマとした展示エリアなどが設置されてます。開会式は10月23日(日)、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで行われる予定です。
沖縄県立博物館・美術館で行われる関連イベント
復帰50年 沖縄復帰前展
沖縄県立博物館・美術館でも本土復帰50周年を記念した展示企画が開催されます。「復帰50年 沖縄復帰前展」は、2022年8月21日(日)まで開催中。
本土復帰前、アメリカ合衆国の施政権下にあった沖縄の当時の様子を、写真を中心にさまざまな資料で紹介しています。
復帰50年 特別展 沖縄、復帰後。展 -いちまでぃん かなさ オキナワ-
2022年7月20日(水)~9月19日(月・祝)、1972年5月15日を起点に復帰後の歩みを振り返りつつ、次の世代に向けて自然・歴史・文化などさまざまな視点から沖縄について考える展覧会です。
日本に復帰した当日の様子や、1990年代から始まった沖縄ブーム、さらには自然や民俗分野などさまざまなシーンに分けた展示が行われます。
沖縄・復帰50年現代演劇集 in なはーと
那覇市久茂地にある那覇文化芸術劇場なはーとにて、沖縄の3つの劇団が「復帰」をテーマに演劇会を開催します。
オキナワ・シンデレラ・ブルース
2022年5月4日(水・祝)、5月5日(木・祝)の2日間、名護市を拠点に活動する劇団ビーチロックによる骨太エンターテインメント「オキナワ・シンデレラ・ブルース」が5年ぶりに再演されます。
復帰翌年の1973年、飲み屋街の外れにある音楽喫茶「BAR亜熱帯」が舞台。戦後、芝居小屋や映画館などさまざまな形で営業を続けてきた同店が、復帰後に経営難に陥り閉店を迫られてしまいます。そんな中、看板娘が芸能界にスカウトされるというストーリー。
72’ライダー
“ひーぷー”の愛称でおなじみの真栄平仁さんが代表を務める劇団O.Z.E。「復帰っ子」と呼ばれる50歳の人たちの等身大の“今”と、復帰直後にバイク事故で非業の死を遂げた青年の事件をリンクさせた、作・演出:真栄平仁で送る渾身作です。
2022年5月7日(土)、5月8日(日)の2日間の上演です。
9人の迷える沖縄人(うちなーんちゅ)
沖縄・復帰50年現代演劇集 in なはーと最後の作品は、那覇市を拠点に活動する劇艶おとな団の「9人の迷える沖縄人(うちなーんちゅ)」。
本土復帰を目前に、一つの部屋に集められた9人のうちなーんちゅ。有識者、主婦、戦争を体験した老婆、沖縄へ移住した本土の人ら、それぞれの立場や経験から語られる沖縄や日本に対する思いは交錯し、やがて現在と交錯する渦の中に流れ込んでいきます。
2022年5月13日(金)、5月14日(土)に上演されます。
当時を知って、これからを考えよう!
どのイベントも、当時の沖縄がどんな状態だったのか、これからの沖縄はどうあるべきなのか…。そんなことを考えるいい機会ではないでしょうか。
その他、県内のみならず日本各地で沖縄本土復帰50周年を記念するイベントが開催される予定です。
イベントは、新型コロナウイルス感染症の状況で予定が変更される場合がありますので、参加の際には事前に公式サイトや問い合わせをお願いします。また、イベントに参加される際は、感染対策をしっかりと行った上、楽しみましょう!
参考サイト:沖縄県庁、琉球政府の時代、ちむどんどん こころおどる、おきなわ。、美ら島おきなわ文化祭2022、沖縄県立博物館・美術館、那覇文化芸術劇場なはーと