日本産のウイスキーは海外でも人気で、「ジャパニーズ・ウイスキー」として高い評価を得ています。日本国内でもハイボールの人気に伴ってウイスキーが再評価されていますが、実は沖縄でも泡盛メーカーがウイスキーを造っているのをご存じでしたか? 今回は、沖縄のウイスキーを紹介します。
ウイスキーと沖縄の歴史
沖縄とウイスキーの関係はなかなか想像しにくいかもしれませんが、実はアメリカ軍の統治下に置かれていた1972年の本土復帰まで、輸入ウイスキーの関税は安く設定され、求めやすかったこともあり、洋酒ブームが起こっていました。
瓶で輸入すると関税が高くなってしまうので、手頃な価格で販売するため、樽の状態で大量に原酒を輸入して沖縄の工場でブレンドや瓶詰めを行っていました。沖縄の酒造所のみならず本州の企業も参入したといわれています。
沖縄最古の蔵元・新里酒造が新感覚のウイスキー造りに挑戦!
175年以上の歴史を誇る沖縄最古の泡盛メーカー・新里酒造では、熟成された泡盛の古酒(クース)をブレンドしたウイスキーが造られています。どこか泡盛の味わいを感じさせる爽やかな口当たりで、まさに新感覚の琉球発ウイスキーです。
新里WHISKY/43度700ml
スコットランドのブレンデッドウイスキーをベースとして、樽貯蔵泡盛13年古酒がベースとなったスピリッツをブレンドしたウイスキー。ヘビーチャーの新しい樽を使用していて、泡盛の古酒が持つバニラのような甘い香りと樽の香りが複雑に交わることで、まろやかで濃厚な味わいに仕上がっています。すっきりとした飲み口なので、炭酸割りにしてもおいしいですよ。
ヘリオス酒造は沖縄初のシングルモルトを開発! 日本最南端のピュアモルトウイスキーも販売
県内で唯一ジャパニーズウイスキーを製造しているヘリオス酒造。沖縄県内初となる、イギリス産ピート麦芽を原料としたシングルモルトの開発に着手。2017年に自社で仕込んで蒸留を行ったモルトウイスキーをオーク樽で3年熟成させ、2020年から販売しています。
また、ヘリオス酒造は、スコットランドの蒸留酒の原酒と同社の蒸留酒の原酒をブレンドした、日本最南端のピュアモルトウイスキーなども製造・販売しています。
KURA ザ ウイスキー シェリーカスクフィニッシュ/750ml
スコットランドの蒸留酒の原酒とヘリオス酒造の自社蒸留酒の原酒をブレンドした、本数限定のピュアモルトウイスキーです。スペインのオロロソシェリー樽を使用していて、果実感のある甘い香りとチョコレートを感じる深い味わいが特長です。
久米仙酒造は本格ライスウイスキーを販売&那覇空港にウイスキーバーもオープン!
久米仙酒造は世界的にも希少な酒質といわれる、革新的なライスウイスキーを開発しました。現在、クラウドファンディングでの先行販売を経て、一般販売を開始しています。
さらに、2022年6月には那覇空港内にウイスキーバー「OKINAWA BLUE」もオープン。こちらでもライスウイスキーを提供しているので、気になる人はぜひ立ち寄ってみてください。
OKINAWA BLUE/43度750ml
泡盛古酒を樽貯蔵した樽熟成種と、モルトウイスキーをブレンドした、希少なライスウイスキーです。樽の甘い香りと米のまろやかな味わいが絶妙に調和し、上質なウイスキーに仕上がっています。
クラウドファンディングを活用した琉球ウイスキープロジェクト
さらに、沖縄のウイスキーを活用した新たな取り組み「琉球ウイスキープロジェクト」も始まっています。「琉球ウイスキープロジェクト」とは、世界中に沖縄の「泡盛」を知ってもらおうというプロジェクトで、「新里WHISKY」を製造している新里酒造と、二次元バーコードラベルを開発している株式会社ケーエイチプラス、泡盛のサブスクリプションサービスを提供しているOKTコミュニケーションズ株式会社が共同で琉球ウイスキーを開発しました。
このプロジェクトで誕生した琉球ウイスキーはクラウドファンディングを利用して一般販売を開始。また、ラベルに記載されている二次元バーコードを読み取ることで、多言語で商品紹介動画が見られるという仕掛けも組み込まれています。
琉球ウイスキーR/700ml
琉球ウイスキーRは、ウイスキーとスピリットのブレンド比率にこだわりのあるウイスキー。ウイスキー本来の味わいを保ちつつも、スピリッツに配合されている樫樽貯蔵泡盛古酒の風味を感じさせます。樽由来の甘い香りで、飲み始めはモルトのシリアル感が際立ち、その後、泡盛独特の米の甘味が広がります。
県内の泡盛メーカーによる革新的な挑戦によって沖縄に骨太なウイスキーが生まれ、今も進化し続けています。沖縄だからこそ出きたその味わいを、一度試してみてくださいね。お土産にもおすすめです。