沖縄旅行の楽しみといえば、海や観光スポット、そして独自の「食」ですよね。チャンプルーや沖縄そばなどの沖縄料理に加えて、「ステーキ」を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
お酒を飲んだ後の締めとしてラーメンではなく、“締めステーキ”という文化があるのも沖縄ならでは。今回は長く沖縄県民にも愛されている「ステーキ」について取り上げます。
沖縄とステーキの歴史
人口10万人あたりのステーキ店の店舗数は沖縄県が1位で、なんと全国平均の約3倍! ダントツの店舗数を誇ります。その要因は、戦後、米兵向けの飲食店から一般市民まで肉食文化が広く浸透したこと、本土と比べて輸入牛肉に対する関税が安かったことなどが考えられるそうです。
沖縄初のステーキハウスは諸説ありますが、鹿児島・喜界島から移住してきた故・前田貞輔さんが1950年に越来村(現在の沖縄市)に開いた店舗とされています。同じ喜界島出身の故・元山嘉志富(かしとみ)さんが1951年に開業した「ニューヨークレストラン」が発祥との説もあります。ニューヨークレストランはアメリカ兵を相手に開業したのが始まりで、毎日行列ができるほど繁盛し、のれん分けを含めかつては沖縄本島に18店舗以上あったそうです。
1972年、沖縄が本土復帰を果たすことでパスポートの必要がなくなり、本土からの観光客が急増。復帰特別措置で輸入牛肉の関税が本土より低く抑えられ、観光客にとって高品質の牛肉が割安で食べられると人気になり、観光スポットでもある国際通りを中心に店舗が増えてきました。
1980年代半ばから円高でアメリカ兵の利用が減る一方、沖縄県民が気軽にステーキを食べられるようになっていきました。ステーキハウスという文化が県内外にも浸透し、観光資源として認識されてきました。
2010年代には「1,000円ステーキ」など、ファストフード型でステーキハウスではない形の店が増え、リーズナブルに食べられるようになり、県内のみならず県外や海外に展開するステーキ店が出始めました。
沖縄でよく食べられるステーキの部位は?
沖縄のステーキ店で多く扱われている部位は「テンダーロイン」。いわれるヒレ肉のことで、沖縄では英語での名称で広まりました。
時代と共にロースやランプなどのメニューも増え、近年、沖縄のステーキ店では下記の部位が多く使われているようです。
●リブロース
味が濃厚で、脂身も多いため最もポピュラーな部位。年齢が若いウシでも細かな脂が入っていて、年齢を重ねたウシのリブロースは霜降りステーキとして食べられています。
●ヒレ
赤身肉の代表といえる部位です。1頭のウシに対してヒレの割合は3割程度と希少な部位で、脂身はほとんどありません。しかし、他の部位と比較しても柔らかく、ヒレの中でもシャトーブリアンと呼ばれる部位は非常に人気があります。
●サーロイン
赤身のしっかりとしたうまみと脂身の濃厚さを味わえます。サーロインはステーキの王道ともいえる部位で、どのような焼き方をしてもおいしく食べられるのが特徴です。
●ランプ
腰からお尻あたりの部位で、非常に柔らかいのが特徴。サーロインやヒレと同等に柔らかく、食べやすい部位です。さっぱりとした味わいの赤身肉で、かむと肉のうまみが広がるのが魅力です。
●Tボーン
ヒレ肉とサーロインがつながった肉で、迫力のある見た目が特徴です。さらに、ヒレとサーロインという2つの部位を同時に味わえるのも魅力です。
●ミスジ
腕の部分にあり、ウシが動かすことが多い部位のため柔らかいのが特徴。脂身と、赤身肉としての味わい、柔らかさなど、非常にバランスが良い部位です。ステーキにする場合はモチッとした食感を楽しめるほか、薄く切って焼肉としても楽しめます。近年、沖縄で安価で食べられる1,000円ステーキはミスジが多く用いられています。
ファストフード型の店でステーキを味わう!
歴史の中でも書いたように、2010年代からステーキを安価で食べられるファストフード型のステーキ店が増えてきました。
2015年に那覇市に開業した「やっぱりステーキ」もファストフード型を象徴する店で、県内に25店舗、全国では89店舗(2022年5月末時点)を展開しています。この頃から「飲み会の締めはステーキ」という選択肢が増えてきました。
1,000円で食べられるというのも魅力ですが、スープ・サラダ・ライスがおかわり自由というのもうれしいポイント。注文したステーキを心待ちにしながら、スープやサラダなどを楽しみます。
そのまま肉の味を楽しむのもいいですが、ステーキをさらにおいしく食べるためにステーキソースも大事。
バラエティー豊かなラインアップで、ステーキを飽きさせません。
やっぱりステーキで1番人気のソースは、にんにく醤油。さらにニンニクを感じたいという人は刻みにんにくを加えるそうです。沖縄らしいシークヮーサーぽん酢は、さっぱり食べられるのが特徴です。
また、多くの人が試したことがあり、家庭に常備するなど、県民から愛されている製品に「A1ソース」があります。
沖縄ではさっぱりとした赤身のテンダーロイン(ヒレ)が多く食べられ、このソースがよく合います。原料はトマトなどの野菜やフルーツに加え、醸造酢を使用。材料全体の3割を占める醸造酢がキリッとした酸味と程良い甘さで味を引き立てます。豚肉や鶏肉料理にもおすすめです。
「沖縄ステーキ」のさらなる認知度向上を
2021年、沖縄で定着している「沖縄ステーキ」の魅力を再認識してもらおうとステーキ店を営む5社が「沖縄ステーキ地域ブランド推進協議会(愛称:COOKS)」を設立しました。
ステーキに関わる事業者同士が連携して情報交換を行うなど、業界全体としての活動を行うことで認知度・消費拡大を図り、「沖縄ステーキ」の地域ブランド化と業界全体の安定的発展を目指しています。
また、県内初のステーキ店ができた歴史のある沖縄市は、“コザ”エリアを盛り上げようと「ステーキの町」を宣言。毎月29日を「肉のぐすーじさびら」(肉のお祝いをしましょう)として、組合員を中心に各店舗などで肉を食べるイベントを開催。11月29日は「ステーキの日」として、沖縄市で誕生した店の味を市内で楽しめる企画を予定するなど、沖縄では企業や地域が一丸となって「沖縄ステーキ」を盛り上げています。
旅行や出張などで来た際はダントツの店舗数を誇る沖縄で、ぜひビールとともに「沖縄ステーキ」を楽しんでみてください。
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