沖縄のおにぎり。「ポーク卵」や「ばくだん」など人気のご当地具材を紹介

豊かな食文化を誇る日本にはさまざまな具材を使ったご当地のおにぎりがあります。もちろん、独自の食文化があるここ沖縄でも、沖縄ならではのおにぎりが県民のお腹を日々満たしています。旅行中に小腹を減った時や、飲み会の締めなどでも重宝する「おにぎり」。
今回は、そんな沖縄のおにぎりの具材にスポットを当ててみます。

ポークに卵を使った沖縄おにぎりの代名詞的存在!?「スパムおにぎり」

ボリューム満点の「スパムおにぎり」/©OCVB

まずは、皆さんが思い浮かべる沖縄のおにぎりといえば、“スパムおにぎり”とよくいわれているポークランチョンミートを使ったおにぎりではないでしょうか。ちなみに、“スパム”はアメリカのホーメル・フーズが販売するランチョンミート「SPAM®︎」の商標で、沖縄で見掛ける「SPAM®︎」は株式会社沖縄ホーメルが販売しています。

程よく焼かれた厚みのあるポークランチョンミートと、ポークとの相性が抜群の卵をごはんで挟んで、ノリを巻くスタイルが一般的です。すごいのはそのボリューム! 体感的には通常のおにぎりの1.5倍はあると思われ…まさに食べ応え抜群です。

沖縄のコンビニエンスストアでは、まさに定番中の定番で、シンプルなものから、さまざま味付けされたものまでラインナップも豊富です。

ポークランチョンミートはおにぎりのほか、野菜などと炒めて野菜チャンプルーにしたり、カレーやみそ汁に入れるなど、万能な食材です。

また、沖縄の定食店では必ずといっていいほど「ポーク卵定食」がメニューにあるほど、ポークランチョンミートは沖縄県民にとってソウルフードの一つです。

【参考記事】
沖縄の県民食「ポーク」って何? レシピや沖縄限定メニューまで紹介

【レシピをチェック!】
ビールのおともにアウトドアに。『ポーク玉子おにぎり』

県民それぞれ好みの味がある「アンダンスー入りおにぎり」

ご飯のお供としても人気のアンダンスー

沖縄の食堂やお土産品店に「アンダンスー」と書かれた小さな瓶を見掛けたことはありますか? このアンダンスーも沖縄ではよくおにぎりの具材として使われています。

ちなみに、「アンダ」は沖縄の言葉で「ブタのあぶら」のこと、「ミスー」は「みそ」を指し、「アンダンスー」は沖縄料理の一つで、みそをブタの脂肪(ラード)で炒めたものです。

店によって個性が出る「アンダンスー」/©OCVB

ちなみに、アンダンスーは各店舗によって味が違い、それが個性となって沖縄県民はそれぞれひいきの店があります。沖縄でアンダンスーの味巡りをしても楽しいかもしれません。おにぎりのほか、ご飯のお供としても人気があります。

【参考記事】
食卓を沖縄に。お土産にもおすすめの沖縄の調味料13選

【レシピをチェック!】
一家にひと瓶。『アンダンスー』があれば家庭円満!?

沖縄そばと一緒に味わいたい「ジューシーおにぎり」

沖縄そばと一緒に楽しみたいジューシーおにぎり

続いて、こちらは沖縄そばとセットで食べる人が多いかもしれません。沖縄フリークはご存知のジューシーおにぎりですね。沖縄風の混ぜごはんをおにぎりにしたもので、こちらも店によって味はさまざま。

また、沖縄の行事ごとでも食べられているので、沖縄の食文化にはなくてはならない一品です。沖縄そば店のほか、コンビニエンスストアでもコロッケとセットになった「ジューシーおにぎりセット」が販売されていたことも。

具材としては、かまぼこ、ニンジン、干し椎茸、ネギなどが使われ、アクセントとして、ひじきなどもよく使われます。店舗によってはフーチバー(ヨモギ)やかまぼこ、ニラ、サトイモを入れるなどアレンジも多彩です。

野菜もたっぷり入ったジューシー/©OCVB

沖縄のハムメーカー・オキハムでは、ご飯を炊く際に入れるだけで簡単にジューシーができる「じゅーしぃの素」が商品化されています。家庭でも気軽にジューシーおにぎり作りにチャレンジしてみてください。

【レシピをチェック!】
琉球伝統料理をおにぎりに〜『ジューシーおにぎり』

豚だしが決め手!沖縄風炊き込みご飯「クファジューシー」

よもぎがふわっと香る!「フーチバーのヤファラジューシー」

今や全国区的認知度の石垣島名物「オニササ」

石垣島のB級グルメ「オニササ」

沖縄には、変わり種のおにぎりがあるのをご存知でしょうか。まずは「オニササ」。全国区のバラエティー番組でも取り上げられたことがあるので、ご存じの人も多いかもしれません。

オニササは石垣島の商店「知念商会」で販売されている、いわゆるB級フードです。「オニササ」の「オニ」はおにぎり、「ササ」は「ささみフライ」のことを指します。

オニササはにぎられて販売されるおにぎりではなく、店内におにぎり、お惣菜、調味料が並んでいて、半透明のビニール袋に、思い思いにそれぞれ入れていき、外側からギュッとにぎって、ビニール袋から少しずつ出してかじり付くという、何とも斬新なスタイルです。

知念商会のオープン間もない昭和50年代、店主の知念さんが子供の世話で商売に手が回らなかったときに、セルフサービスでお総菜を並べたところ、地元の高校生がフライとおにぎりを一緒にビニール袋に入れ始めたのがきっかけだそうです(ちなみに、同店により「オニササ」は商標登録されています)。

石垣島を訪れた際は、ぜひ“地元スタイル”で味わってみませんか。

かまぼこの食文化をいかした「ばくだんおにぎり」

かまぼこの食文化から生まれた「ばくだんおにぎり」

ラストに紹介するのは、その名も「ばくだんおにぎり」。ばくだんといっても当然ながら爆発はしませんのでご安心を。

かまぼこの食文化がある沖縄ならではのアイデア料理ともいえる一品で、のりのようにかまぼこでご飯を包んだもの。中のご飯はジューシーを包むことが多いようです。形が球体なのでばくだんという名前が付いたものと思われます。

おやつ感覚で食べられる「ばくだんおにぎり」

その起源は定かではなく、「漁師町として知られる糸満で、海の上で漁師が片手で食べられるものを考案した」という説や、「かまぼこ工場の職人が手っ取り早く食事をするために作られた」という説があるようです。

魚のすり身で作ったかまぼこだけでなく、ジューシーにも野菜がたっぷり使われているので、実は健康的で栄養満点のばくだんおにぎり。かまぼこ店や道の駅等で販売されていますので、チェックしてみてください。

【参考サイト】
at home VOXOkinawa Holiday Hackers

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