70年以上愛される、沖縄バヤリース 実はあの定番オレンジも、本州と沖縄で味が違う!?

オレンジドリンクの代名詞的存在として、長く愛されている「バヤリースオレンジ」。ここ沖縄では、沖縄バヤリースオレンジとして販売されています。

沖縄バヤリースオレンジ 缶350g

全国で親しまれているバヤリースですが、沖縄では、“南国シリーズ”として、さまざまなフレーバーがあり、沖縄県民はもちろん観光客にも人気です。

沖縄バヤリースの南国シリーズ

今回は、アメリカのゼネラル・フーズ社との契約で、1950年代に「バヤリース・カリフォルニア・オレンジ(オキナワ)社」が生産と販売を開始して以来、沖縄県民に愛されている「沖縄バヤリース」シリーズの商品や歴史について、現在、販売を担うアサヒオリオン飲料株式会社の経営企画部・副課長でマーケティング担当の池田真彦(いけだ・まさひこ)氏に話を聞きました。

沖縄バヤリースオレンジの味わいは当時の味を継承

沖縄にバヤリースがお目見えしたのは、戦後6年が経過した1951年頃。沖縄バヤリースオレンジは、現在、245gと350gの缶以外に、500mlのペットボトル、1.5lのペットボトルの4種類が発売され、70年以上、沖縄県民の味として親しまれています。

浦添市城間(ぐすくま)にあったバヤリース・カリフォルニア・オレンジ(オキナワ)社
製造の様子

実はバヤリースは沖縄と本州では味が違う!?

この沖縄バヤリースオレンジですが、パッケージに「沖縄」と入っているだけでなく、風味も違うのをご存知でしょうか?

沖縄と沖縄以外のバヤリースの味の違いは、実は、1950年代に、アメリカで製造された濃縮ベースのオレンジの輸入が困難になったことに起因しています。

「現在の沖縄バヤリースオレンジは、発売当時の味わいを引き継いでおり、ひと言で表現すると、沖縄のものは『沖縄らしい、ぎゅっと濃厚なフルーティーな味わい』で、本州のものは嗜好変化に合わせた『果実のおいしさと栄養がたっぷり詰まったオレンジ飲料』といったところでしょうか」。

沖縄由来のフレーバーが続々誕生!

さらに、沖縄では、オレンジ以外のフレーバーを展開しています。そのスタートは1974年。「1974年にシークヮサー果汁10%飲料を瓶で発売しました。これをきっかけに、1988年にはペットボトルで発売。さまざまな商品遍歴を経て、2015年に株式会社沖縄バヤリース社の『南国シリーズ シークヮサー』、2017年に沖縄県産のシークヮーサー果汁を使用した『沖縄バヤリース シークヮーサー』を発売し、パッケージデザイン・中味のブラッシュアップを行って、現在は『沖縄バヤリース 沖縄県産シークヮーサー』として販売しています。ていねいに手摘みした沖縄県産シークヮーサーの個性をおいしく生かした、さわやかな甘さとほろ苦さのシークヮーサードリンクになっています」と、形態を変えながらも、愛される味に成長していきました。

沖縄バヤリース 沖縄県産シークヮーサー

現在では、この「沖縄バヤリース 沖縄県産シークヮサーのほか、「南国グァバ」「南国マンゴー」、また、石垣島のパイナップルを使った「石垣島パイン」を発売。

沖縄バヤリース 南国グァバ
沖縄バヤリース 南国マンゴー

「『南国グァバ』と『南国マンゴー』は2015年に沖縄バヤリース社のものを継承した際、味わいは変えずに継続しました。『南国グァバ』は2021年にパッケージを現在のビビットなピンクへ変更。果肉をとろとろになるまで裏ごしして作った、なめらかなグァバピューレを使って、ふわっとした南国の花のような香りが特長です。『南国マンゴー』は果肉を裏ごしして作ったきめ細かなマンゴーピューレを使い、さわやかな香り、キレのいい甘さで、すっきり系のドリンクに仕上げました」と、こちらも伝統の味を引き続き販売しています。

「『石垣島パイン』は2019年6月に発売しました。『2016年にデビューした沖縄バヤリースパインよりおいしい商品にしたい』と企画を進め、太陽をたっぷり浴びて育った、糖度の高い貴重な石垣島のパイナップルを皮ごとしぼって、濃縮加工せずに使用しています。ぱっと広がる、果実感のある香りが特長。コクのある甘さと酸味で、満足感のある一杯にしています」と太鼓判を押します。

沖縄バヤリース 石垣島パイン

さらに、シークヮサーのうま味と栄養をそのまま100%果汁にした「シークヮサー入り四季柑100%」もラインナップされています。沖縄料理ではシークヮーサーを数々のメニューで使っていることに着目し、沖縄バヤリースの公式サイトでこの「シークヮサー入り四季柑100%」を使った簡単でおいしい料理のレシピを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

沖縄バヤリース シークヮサー入り四季柑100%

数々の転換期を経ながらも昔ながらの味を提供

世界的に有名になった「バヤリース」ですが、もともとは、沖縄との関係が深いアメリカが発祥です。

「由来は、薬学の専門家、フランク・バヤリー氏が1938年にオレンジ果汁の殺菌方法を確立したことから付けられたブランド名です。その後、沖縄にバヤリースオレンジの工場ができ、1950年の設立当初は米軍基地内でのみ販売され、1951年、沖縄の民間地域への出荷が始まりました」と、70年以上前にスタートしたバヤリースと沖縄との関係を教えてくれました。

1950年代初めに使用されていた広口ビン
1950年から1972年まで使用されていた社屋(浦添市城間の現国道58号戦沿い)
1962年頃の配送車両

最大の危機も従業員とファンの力で乗り越えた

その後、1972年の沖縄の日本本土復帰に際して、復帰後の情勢が不透明だったこともあり、当時の運営母体だったアメリカン・ボトリング社は解散を決定します。

1960年代のバヤリースの広告
1960年代のバヤリースの広告

「そんな中でも、バヤリースがすでに優れたブランドに育っていたこと、多くの取引先にも恵まれていたことから、当時の社員が中心となって営業権を引き継いで、株式会社沖縄バヤリースを設立。現在の南城市である大里村に移転、以来『品質を守ること』を第一に、消費者のニーズに合わせた商品作りを展開して、南国らしいトロピカルフルーツ果汁飲料や、茶飲料、健康志向飲料へとその分野を拡大していきました」と、沖縄県民にとってバヤリースはなくてはならないブランドになっていたことが分かります。

配送前の積み込み風景

あのかわいいキャラクターの正体は!?

最後に、皆さんも気になっている(!?)、沖縄バヤリースオレンジのパッケージに描かれている、あのキャラについても聞きました。

パッケージに描かれる「バヤリース坊や」

「名前は『バヤリース坊や』といいます(笑)。ニコニコの横顔がかわいい初代の“バヤ坊”は1959年に発売された250g缶に登場しました。その後『バヤリース坊や』と名付られ、バヤリースブランドの総合キャラクターとして、パッケージデザインに登場しています。明るく、元気な男の子です!」。

沖縄バヤリース商品がオリオンビール公式通販にも登場!

2022年3月下旬から、オリオンビールの公式サイトでもバヤリース商品の取り扱いスタートします!

「1951年に発売された沖縄バヤリースも、2021年に70周年を迎え、沖縄県民に愛され続けてきました。小さなお子様からおじいちゃんおばあちゃんまで世代を超えて愛されてきた、沖縄の元気が、ぎっしり詰まった沖縄バヤリース。変わらずご愛飲を宜しくお願いします」とメッセージを寄せてくださいました。

ゴクゴク飲むと、元気で明るい気分にしてくれる…沖縄でしか飲めない、おいしい沖縄バヤリースを、この機会に味わってみませんか。

友だち限定のお得な情報も届く♪オリオンビールLINE公式アカウントを友だち追加しよう。
友だち追加