年間の行事ごとは旧暦で行われる沖縄では、“沖縄には3回お正月が来る”といわれることも。1つは新暦のお正月、そして、旧暦のお正月、そして、あの世のお正月です。
新暦は1月1日、旧暦はいわゆる“旧正月”といわれ、2023年は1月22日(日)が旧暦の1月1日にあたります。あの世の正月は旧暦の1月16日、“ジュールクニチー”と呼ばれ、2023年2月6日(月)となります。
これらの沖縄のお正月も本州と同様、ごちそうを用意してお祝いします。今回は沖縄の正月料理やレシピをご紹介します。
県民に愛される「豚肉料理」はお正月も定番!
“鳴き声以外は食べる”というほど沖縄県民に愛されるブタは、このお正月も昔からよく食べられていて“豚正月(ぶたしょうがつ)”と言われていたほど。
「ラフテー」や「スーチカー」「ミヌダル」「アンダンスー」などなど、数々の豚肉料理があります。また、豚肉を使った「中味汁」は、お祝いの席には必ずといって上がってくる一品。各家庭の味があるまさに家庭料理ですが、メジャーなのでレトルト加工された商品も手軽にコンビニエンスストアやスーパーマーケットで購入できるのも魅力ですね。
【レシピをチェック!】
・一品で主役級の満足感!琉球料理の代表格「ラフテー」
・塩と時間が美味しくしてくれる。沖縄の知恵と旨みがぎゅっと詰まった『スーチカー』
・宮廷料理に手軽にチャレンジ。レンジで作る『ミヌダル』。
・一家にひと瓶。『アンダンスー』があれば家庭円満!?
・「中身汁」沖縄のお祝いの席に欠かせない澄まし汁
お正月の食卓を彩る田芋(ターンム)
沖縄の特産の一つでもある田芋(ターンム)もお正月に欠かせない食材の一つ。唐揚げにしたり、天ぷらにしたり、「ターンムディンガク」といって田芋を甘く煮たメニューもお正月の食卓を彩ります。
県内では宜野湾市や金武町(きんちょう)などでの生産が盛んで、子芋を次々と増やすことから、子孫繁栄をもたらす縁起物として正月や旧盆など行事に欠かせない伝統食材として長年親しまれています。
【レシピをチェック!】
・甘じょっぱい味付けで後を引くおいしさ!「ターンムの唐揚げ」
・「ドゥル天」外はカリッと、中はもっちり!おつまみにも人気の味
参考記事:栄養満点で滋味あふれる沖縄の「島野菜」の魅力
寒くなるとお餅! は沖縄も一緒!
本州同様、お餅も人気です。冬の時期は沖縄ファンにもよく知られている「ムーチー」が食べられています。旧暦の12月8日頃になると市中にムーチーが並び、近年はその味も多種多様で、紅芋、ウッチン(ウコン)、こしあん、カボチャなども! この頃になるとさすがの沖縄も冷えてくるので、寒波があると「ムーチービーサー」なんて言葉が聞こえてきます。
【レシピをチェック!】
・沖縄の冬の風物詩「ムーチー」って?
・むちむち食感にヒハツがピリッ! 沖縄の正月のお餅「ナットゥンスー」
県民に愛される昆布もお正月の大事な食材!
さらに、本州のおせち料理の主役の一つである「昆布」も沖縄でよく食べられています。かつては沖縄が昆布消費量日本一だったこともあったほど! 昆布のとれない沖縄が消費量1位といわれるほどに愛されていたのは、一説には、かつての富山の薬売りがその一躍を担っていたとかいないとか。中国との交流が盛んだった琉球王国の知恵だったのかもしれません。この昆布を使った料理としては、沖縄の居酒屋でもおなじみの「クーブイリチー」などがよく食べられています。
ちなみに、“たんと よろこぶ”という語呂合わせっで“炭(たん)”と“昆布”を使った「正月飾り」もお店に並びます。
【レシピをチェック!】
愛され昆布料理の決定版!『クーブイリチー』。
オリオンビール&お正月の定番料理で沖縄気分
ほか、旧暦の1月15日は「ソーグヮチグヮー““ジューグニチソーグヮチ”といって、仏壇に揚げ物や煮しめなどを備える行事、前述したあの世の正月である“ジュールクニチー”には一族で墓参してジューバク(重箱に詰めた料理と餅)を用意し、旧暦の1月5月、9月に行われる“ジューハチャ”では饅頭や果物を備える習慣も。
観光で訪れてもなかなか体験ができない沖縄のお正月。オリオンビールと一緒にお正月にまつわる料理を味わいながら、沖縄気分を楽しんでください。