桜坂は那覇市の国際通り裏手にある古くからの歓楽街。今回は、昭和ノスタルジックな雰囲気を醸し出す建物が残るこのエリアについて紹介します。
実はこの桜坂、オリオンビールにとっても重要な場所。その関係性も紹介していきます。
桜坂ってどんな場所?
桜坂は那覇の中心部にある、観光客にも人気の歓楽街です。太平洋戦争後に飲食店が軒を連ねるようになり、最盛期には数百もの店が賑わう一大歓楽街へと発展。現在は、昭和ノスタルジックな街の風景や店が残りつつ、大型ホテルやおしゃれな店なども混在した魅力あるエリアとして人気があります。
国際通りから徒歩数分でアクセスでき、壺屋やちむん通り、平和通り商店街などとも隣接しているので、観光客が散策をするのにもおすすめです。夜になると、街の雰囲気はさらにノスタルジックに! バーやスナックなど、桜坂ならではの風景を見せてくれます。
桜坂へのアクセス方法
桜坂へアクセスするには、ゆいレール(モノレール)の牧志(まきし)駅または美栄橋(みえばし)駅から国際通りに入って「てんぶす那覇(那覇市テンブス館)」を目指してください。
てんぶす那覇の横にある「桜坂中通り」を進んで最初の四つ角が桜坂通りとの交差点で、この周辺一帯が桜坂と呼ばれるエリアです。通り添いだけではなく細い路地の奥にも店が軒を連ねていますので、散策してみるのも楽しいですよ。
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オリオンビールと桜坂の歴史とは…
沖縄を代表する一大歓楽街の桜坂ですが、オリオンビールと深い絆があるのをご存じでしょうか? ここでは、桜坂とオリオンビールの歴史について紹介します。
県産ビールヘの県民意識を変えたのは桜坂
1957年に創立してから65周年を迎えるオリオンビール。今でこそ沖縄県民のビールとして認知されていますが、設立当時は販売が伸び悩み、存続を危ぶむ声さえありました。
当時は、輸入品や本州のメーカー品と比べて県産品を二級品として捉える意識が強く、さらに、オリオンビールが他社よりも安価で販売されていたこともあり、「安かろう、悪かろう」というレッテルを貼られてしまっていたのもその原因の一つでした。
そこで、創業者の具志堅宗精(ぐしけん・そうせい)氏が目を付けたのが、当時の桜坂だったのです。具志堅氏は県内最大の歓楽街である桜坂でシェアを得て、那覇市内から、ひいては沖縄県内全域へも販売を拡大しようと考えました。
オリオンビールの歴史の礎ともなった桜坂ローラー作戦
オリオンビールが発売された1959年当時、桜坂には18軒のキャバレーと400~450軒ほどの飲食店がありました。ここで具志堅氏は自ら指揮を執り、オリオンビールの従業員が一軒一軒客として出向き、ビールを売り込んでいくという人海戦術を展開。多い時は10軒を超える「はしご」も珍しくなかったそうです。
そんな地道な努力が功を奏し、オリオンビールの売り上げは好転。1960年には前年の2倍の売り上げを達成しました。今や県民のビールと称されるオリオンビールの人気の礎は、ここ桜坂にあるのです。
桜坂という街ができるまで
桜坂は戦後の復興と共にできた歓楽街です。実は、桜坂は実際の町名ではありません。さらに、桜坂という名前を冠しながら桜もないのです。
まず、桜坂エリアに飲食店が集まった理由の一つに、道路が新設されたことが挙げられます。1951年、市場通りを見下ろす壺屋の高台に道路が新設されます。この道路が現在の桜坂通り。
道路新設工事の前からすでに音楽学校がこの場所にあり、さらに珊瑚座という芝居を上演する劇場の建設も始まります。この道路の新設や珊瑚座の建造が呼び水となり、飲食店が集まるようになっていったのではないかと考えられています。
さらに、桜について、「那覇 戦後の都市復興と歓楽街」(加藤政洋著・フォレスト)によると、1954年7月1日の「琉球新報」の記事で、ここに街名の由来ともなる60本ほどの桜が植えられたがすぐに枯れてしまい、さらに桜の成樹を2本植えたが、これも枯れてしまったという記事があることが記されています。現在も桜坂通りに桜はありませんので、桜は枯れてしまって名前だけが残ったということが分かりますね。
現在の桜坂を巡ってみませんか
珊瑚座という劇場の登場で人や店が集まってきたという歴史のある桜坂ですが、現在のこのエリアのランドマーク的存在は「桜坂劇場」でしょう。
桜坂劇場は映画やイベントが開催される文化の発信地的な存在で、地元の人々に愛さている場所でもあります。また、2015年には「ハイアット リージェンシー那覇 沖縄」も開業し、カフェや雑貨店などの新しい店舗も登場しています。
しかしながらこの街の魅力は、昭和ノスタルジックな雰囲気。今も点在する昔ながらの建物には、桜坂の歴史を体現するようなバーやスナック、飲食店などがあって風情を感じさせます。
さらに、その建物を利用したライブハウスや飲食店などもあり、ここでしか味わえない特別な時間を過ごすことができますよ。街に迷い込んでみるような気持ちで、ぜひ桜坂を巡ってみてくださいね。
街の歴史に思いを馳せながら、桜坂でオリオンビールを味わってみてはいかがでしょうか。
参考文献:「那覇 戦後の都市復興と歓楽街」(加藤政洋著・フォレスト)
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