沖縄で良く食べられている山羊汁、山羊のさしみ。その山羊の肉を食べるとき、その臭みを軽減させて食べやすくしてくれるのが「フーチバー」です。他にも沖縄そば、フーチバージューシーなどさまざまな料理に使われています。今回はそんなフーチバーを使った料理や効能を紹介します。
「フーチバー」とは?
フーチバーとは、沖縄の古い言葉で、「病気」や「薬」を意味する「フーチ」と、「葉」を意味する「バー」を合わせた言葉で、文字通り「薬草」という意味があります。沖縄の家庭では薬草以外にも料理の臭み消しや薬味として幅広く利用されてきました。
フーチバーはニシヨモギというヨモギの一種ですが、一般的なヨモギとは違い、独特のさわやかな香りがあり、葉が大きいのが特徴です。また、苦味が少ないので直接食べることができ、沖縄では1年中収穫されています。
紹介記事:よもぎがふわっと香る!「フーチバーのヤファラジューシー」
フーチバーの効能
フーチバーの効能と栄養はヨモギとほぼ同じで、薬草としても親しまれています。
成分はタンパク質、食物繊維が多く、ミネラル(カルシウム、鉄、カリウム)とビタミン(A、B1、B2、C)が豊富です。
成分の中の「クロロフィル」には消臭効果や殺菌作用、体内の悪玉コレステロールなどの有害物を除去する効果があります。
また、フーチバーのさわやかな香りの成分として、「セスキテルペン」「シネオール」「B(ベータ)-カリオフィレン」なども含みます。
「セスキテルペン」は吸い込むことで脈拍が下がり、睡眠時と同様の脳波になるそうです。
「シネオール」はアロマセラピーでよく使われるローズマリーなどにも含まれる成分で、血行を良くし、体を温め、神経をリラックスさせてくれる効果があります。
「B-カリオフィレン」は乱れた自律神経に影響してホルモンバランスを整えるので、神経をリラックスさせ、怒りや不安を和らげる効能があります。
また、大分大学医学部と琉球大学農学部の合同研究では、成人T細胞白血病ウイルスの感染細胞を抑制するという結果が得られたそうです。
このようにフーチバーには、薬草として使われる成分が多く含まれています。
フーチバーの選び方・保存法
フーチバーは葉に斑点が出ているものは避けて、モスグリーンに近い色の葉を選びましょう。
固い茎の部分は避けて、柔らかい若葉を食します。
汁ものに入れる場合は、調味する前に入れると苦味が抑えられます。 湿らせた新聞紙などに包んで立てた状態で冷蔵庫で保存します。
フーチバーが使われる料理
沖縄そば
沖縄そばではフーチバーを生でトッピングして食べます。最初にフーチバーのシャキシャキとした感触を楽しみ、次第に、そば汁を吸って柔らかくなっていく葉と絡んだ麺の味を楽しむことができます。
山羊汁
山羊汁ではフーチバーを山羊の肉の臭み消しとして使います。山羊肉はクセが強いので、そのまま食べるのが苦手な人もフーチバーを入れると山羊汁を楽しむことができます。
山羊の刺し身にも口直しとして使われています。
アバサー汁
アバサーとは沖縄の言葉で無毒のフグのハリセンボンのこと。それを使ったアバサー汁では、肝の臭みを消すためにフーチバーがたっぷり使われます。
フーチバージューシー
「ジューシー」には炊き込みご飯の「クファ(硬)ジューシー」と、雑炊に近い「ヤファラ(柔)ジューシー」があります。
どちらもフーチバーを一緒に炊き上げたり、炊き上がったじゅーしーの上にフーチバーを細かく刻んで入れたりして、フーチバーの苦味のアクセントを楽しみます。
紹介記事:よもぎがふわっと香る!「フーチバーのヤファラジューシー」
フーチバー天ぷら
フーチバー天ぷらでは天ぷらの具材として使われます。
ころもが多いのが特徴の沖縄天ぷらもおいしいのですが、最近、居酒屋のメニューでは、カラリと揚げた物もあり、フーチバーの苦味を楽しめます。
ビールと苦みの違いを楽しむのもアリ!
フーチバーには、爽快感のある苦味があり、ビールのおいしい苦味とは違った別の苦味を楽しむことができます。ぜひ、フーチバーを使った料理をビールのおつまみにして苦味の違いを楽しんでみて下さい。
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