本土に比べて年間を通じて気温が高い沖縄ですが、野菜、果物、魚介類、海藻、それぞれに“旬”があります。旬を迎えた食材は沖縄県内の市場やスーパーマーケットに並び、家庭の献立や飲食店のメニューに追加されます。
今回は12月に食べたい食材や、旬のものを使ったメニューを紹介します。沖縄旅行中はもちろん、食材が手に入ったらぜひご自宅でもオリオンビールと一緒に、沖縄の旬のものを味わってください。
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12月の旬・野菜編
薬として珍重されてきた「ウコン」
ウコンの旬:12~3月
沖縄でウッチンと呼ばれるウコンはショウガ科の植物。タイや中国を経て沖縄に伝わったといわれています。ウコンは、琉球王国時代から沖縄にとっては特別な植物で、1609年の薩摩藩の侵攻により財政が圧迫した琉球政府が、その打開策としてウコンを専売すべく栽培を進めて、1646年には実際にウコンの専売を始めることになります。
薬草として本州でも珍重されたウコンは、西洋医学の発達により急速に姿を消していきますが、現代になって再びウコンの効力にスポットライトが当たり、さまざまな健康食品として求められるようになりました。ウコンにはさまざまな種類がありますが、商品として販売されているのは「秋ウコン」「春ウコン」「紫ウコン」がほとんどです。
●春ウコン
春にピンクの花穂をつけ、根茎は黄色。独特の清涼感がある味わいで、ミネラルなどの栄養成分が多く含まれています。沖縄では薬理作用を有する製薬として栽培されていますが、日本薬局方の生薬としてはまだ認定されていません。しかしながら、琉球王国でも貴重な植物とされ、高い機能性から「ウコンの王様」ともいわれています。
●秋ウコン
古くから沖縄で栽培されてきたウコンで、日本薬局方の生薬として認定されている種。殺菌作用があるため食べ物の着色に使用されたり、衣類の染料としても使われていました。
●紫ウコン
ガシュツとも呼ばれるウコンで、根茎が健胃剤に使用されています。若芽や花序は香辛料などに使用されることも。
苦みがクセになる「ンジャナ」
ンジャナの旬:12~5月
ンジャナとはホソバワダンのこと。琉球王国時代から薬草として食されてきました。苦みが強くアクがあるため、生食する場合は水にさらしてあく抜きをします。
沖縄では昔から、解熱や産後の体力回復のために食されてきました。あえ物や炒め物、天ぷら、ボロボロジューシー(沖縄の雑炊)などに使われたり、刻んでイカスミ汁に入れたりして食べます。ビールに合わせるならツナあえがおすすめ。独特の苦みがクセになるので、家で作って味わってみてくださいね。
【ンジャナのツナ和え】
●材料
ンジャナ、ツナフレーク、しょうゆ少々、塩少々、チューブのニンニクとマヨネースお好みで
●作り方
1 ンジャナの葉っぱを細切りにする
※苦いのが苦手な場合はここで軽くゆでてください
2 ツナフレークとしょうゆ、塩、ニンニク、マヨネーズと1を合わせて完成
沖縄の冬の栄養源「葉ニンニク」
葉ニンニクの旬:12~3月
葉ニンニクは、ニンニクの鱗茎が肥大する前の若い茎と葉で、沖縄ではヒルンファーとも呼ばれます。古くから、沖縄の冬の栄養源として親しまれていて、炒め物やあえ物にして食べます。ニンニクより香りが柔らかく、葉も柔らかくて食べやすいですよ。
沖縄では昔から滋養強壮や風邪予防に食されていて、レバーやブタの内臓と一緒に炒めて食します。
12月の旬・果物編
森のアイスクリーム「アテモヤ」
アテモヤの旬:12~2月
アテモヤは東南アジアなど熱帯で人気の「釈迦頭(シャカトウ)」と、世界三大美果の一つ「チェリモヤ」を交配させたフルーツです。沖縄には20年ほど前に入ってきたといわれています。生産量が少なく、沖縄でも稀少なフルーツです。
南国フルーツですが、収穫は12月頃。果肉が柔らかいので、半分に切ってスプーンですくって食べます。濃厚な甘味も特徴的で、「森のアイスクリーム」とも称されています。
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12月の旬・魚編
上品な味の高級魚「ヤイトハタ」
ヤイトハタの旬:12~3月
沖縄ではハタ類のことをミーバイと呼びます。最近ではその中でもヤイトハタの養殖が盛んに行われていて、この時期食べ頃を迎えます。
ヤイトハタは上品な味わいの白身魚で、和・洋・中どんな料理とも相性が良いことでも知られています。沖縄では刺身はもちろん、汁にして食べることも。ぶつぎりにしたヤイトハタを汁物にするミーバイ汁は、島のごちそうの一つです。
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今回は「12月に食べたい!沖縄の旬の食材&おいしい食べ方」を紹介しました。沖縄にも冬が訪れるこの時期は、琉球王国の時代から食べ継がれてきた栄養価の高い野菜や薬草などが食べ頃を迎えます。しっかり栄養をチャージしながら、オリオンビールで乾杯してくださいね!
<参考文献>『沖縄食材図鑑』楽園計画、<参考サイト>国立歴史民俗博物館、仲善、恩納村、沖縄ミーバイ
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