沖縄の課題解決に挑む。琉球大学×オリオンビールのSDGsに関する産学連携がスタート

2020年12月、オリオンビールと琉球大学は、「SDGsに関する産学連携協定」を締結しました。

これまでに、オリオンビールと琉球大学は、社会課題の解決に資する共同研究や、公益財団法人オリオンビール奨学財団から一般社団法人大学コンソーシアム沖縄への寄附を通じた子どもの居場所学生ボランティア活動支援などを実施しており、学部・組織を超えた連携が生まれていました。今回の産学連携協定は「SDGs」を沖縄で具現化していくために、両者の関係をさらに進めるものとなります。

SDGsに関する連携協定締結式の様子

オリオンビールが果たすべき「つくる責任、つかう責任」

沖縄で生まれ育ったオリオンビールが、将来にわたって地域社会とともに持続的に発展していくために、「SDGs」に沿った社会貢献活動の展開を強化しています。中でもビール製造においては、SDGsの17の目標のうち、「9 産業と技術革新の基盤づくり」「12 つくる責任、つかう責任」に軸足を置いて推し進めています。

目指しているのは、沖縄の1次産業(農業)と2次産業(製造業)が直接つながり、この島々の中での資源循環を実現するための産業基盤づくりです。

ビールの製造過程で発生する大量のビール粕。これを廃棄物ではなく堆肥に活用することで、土を栄養豊かにすることができます。そこで育てた大麦を原料にビールを造り、新たな商品として生まれ変わらせていく…。こうして、農産物資源が循環する産業基盤づくりが一歩ずつ進み、消費と生産の持続可能性が向上していくと考えています。

沖縄での大麦づくりへの取り組み

このように一次産業と二次産業が緊密に連携した地域社会づくりや、技術革新には様々な知識が必要です。そこで、オリオンビールでは、同じくSDGsに積極的に取り組む琉球大学や地元の農家など様々な方と連携してプロジェクトを推進しています。

具体的にスタートしているのが、「伊江島」「名護市」「南城市」での大麦の栽培です。

2020年11月に行った南城市での大麦の種まきの様子

この3つの地点でスタートすることは、今後、沖縄での大麦栽培を拡大を進める上で重要なステップです。
沖縄本島は大きく分けると「国頭マージ」「島尻マージ」「ジャーガル」とエリアごとに3つの土質が分布しています。それぞれの土質の畑で大麦栽培をすることで、品質や収量にどのような違いが出てくるのかを同時に検証していきます。

「SDGs」でつながったオリオンビールと琉球大学

琉球大学は2020年に「琉球大学SDGs推進室」を設置し、研究、教育、社会貢献、業務ガバナンスの4つの領域で活動を推進してきました。その延長で、沖縄県が積極的に進めているSDGsの普及啓発の取り組む「SDGsパートナー」にも登録、県内企業との連携を進めています。

今回の琉球大学との連携によって、沖縄での大麦の生産を発展させる上で欠かすことのできない、亜熱帯気候の沖縄に適する大麦の品種の選定や大麦の収穫量を増やすために堆肥の品質を上げるための研究が進んでいます。

さらに、沖縄のさまざまな産業活動から生まれる「廃棄物の削減と再利用」を目指したプロジェクトもはじまっています。

オリオンビールの工場で生まれる麦芽やシークヮーサーの食品残渣を養殖魚のえさとして加工。中城村に設置された陸上養殖場で、アーラミーバイ(ヤイトハタ)やシラヒゲウニを成長させる研究でも連携がスタートしています。

この取り組みを進めることで、島嶼地域での水産養殖における餌料コストの低減と、陸上養殖で育てた安心・安全な食資源を消費者に届けることができ、SDGsの目標達成にも近づいていきます。

産学連携協定で広がる可能性。沖縄、そして世界が直面する課題解決に貢献する

さらには、県内の貧困状況・シングルマザーの現状調査などを行い、シングルマザーのキャリアアップを支援することでシングルマザー家庭の経済的自立を目指すことも連携プロジェクトの一つ。SDGsが掲げる「1 貧困をなくそう」「4 質の高い教育をみんなに」「5 ジェンダー平等を実現しよう」に関与する事項です。

ほかにも、琉球大学の学生のオリオンビールによるインターンシップ受け入れ、 子どもの居場所学生ボランティア活動支援、オリオンビールから琉球大学への外部講師の派遣、琉球大学におけるリカレント教育の実施、SDGsに関連する各種イベントへの相互参画が検討されています。琉球大学とオリオンビールによる産学連携はどのように沖縄、そして世界が直面する課題解決に貢献していけるのか。今後の連携の可能性は大きく広がっています。

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