手付かずの自然が残り、緑豊かな沖縄本島北部のやんばるエリア。亜熱帯気候ならではの植物が生息する地域ですが、シークヮーサー、カーブチー、温州みかんなど、柑橘類の生産が盛んなことをご存じでしょうか?
今回は、沖縄県産の柑橘類の中でも、濃厚な甘さとみずみずしい果肉が特長で、“沖縄のみかん”として県民に親しまれている「タンカン」を紹介します。
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タンカンのルーツは中国。台湾経由で日本へ伝来
亜熱帯性の柑橘類で、沖縄県のほか、鹿児島県の屋久島や奄美大島など温暖な地域で栽培が行われてるタンカン。漢字では「短桶」と書き、その昔、原産地の中国広東省で、行商人が短い桶(おけ)に入れて売り歩いていたことからその名が付いたといわれています。
日本には明治時代に台湾から鹿児島に伝わり、沖縄では大正時代に植栽されました。その後研究が進められ、本格的な生産が始まったのは1960〜1970代頃とされています。
タンカンのおいしさの秘密は“やんばる”にあり
タンカンの主な生産地は、本部町(もとぶちょう)、大宜味村(おおぎみそん)、国頭村(くにがみそん)、名護市などが位置する沖縄本島北部のやんばるエリアが中心。「国頭マージ」と呼ばれる酸性の土壌が分布するこの地域は、ミカンやパイナップルなど果樹の栽培にとても適しています。
さらに、良質のタンカンを育てるためには昼と夜の寒暖差が必要です。400~500m級の山々が連なるやんばるエリアでは、日中は陽射しが降り注ぎ、夜間は急激に気温が下がります。畑は高低差のある山の中腹に多いので、好条件がそろい、糖度の高いタンカンが育つともいわれています。
タンカンは見た目より中身の味で勝負!
タンカンの皮は傷が付きやすいので、表面がぼこぼこしていたり、ざらざらしていたりと見た目はあまり良くありませんが、味に影響はありません。むしろ、この傷だらけで厚みのある皮においしい果肉が守られています。
厚い皮をむくとたっぷりの果汁があふれ、甘い香りが漂います。タンカンの糖度は11~14度とされ、柑橘類の中でもトップクラス。濃厚な甘さが特長ですが、程良い酸味とのバランスも絶妙で、このおいしさにハマってしまう人も多いようです。
また、タンカンはカリウム、カロテン、クエン酸、ビタミン類など栄養素も豊富で、ビタミンCは温州ミカンの約2倍の量が含まれています。風邪の予防や疲労の回復効果があり、美容や健康に欠かせない果物の一つです。
沖縄の冬の味覚といえばタンカン!
タンカンの収穫時期は毎年12~2月頃で、1~2月上旬頃に旬を迎えます。沖縄では冬の味覚としておなじみで、お歳暮やお年賀としてタンカンを贈ることもしばしば。
また、柑橘類の生産が盛んで「みかんの里」とも呼ばれる本部町伊豆味(いずみ)地区では、冬になると「タンカン狩り」が楽しめます。自分で収穫してその場で食べるタンカの味は格別! この時期には付近の道路沿いで売られていたり、道の駅やファーマーズマーケットなどにも採れたてのタンカンが並びますので、ぜひチェックしてみてください。
沖縄県産タンカンピールを使用したクラフトビールが登場!
オリオンビールでは、2022年の限定醸造「75BEER ベルジャンホワイト」が発売されています。“ベルジャンホワイト”とは、コリアンダーシードやオレンジピール(オレンジの皮)を副原料として用い、柑橘系やスパイスの爽やかな香りが楽しめる白ビールの名称です。
沖縄県産素材にこだわった「75BEER ベルジャンホワイト」は、オレンジピールの代わりに、名護を中心とした沖縄県北部で採れたタンカンのピールを使用しています。低温で乾燥させ、素材本来の香りや風味を凝縮させたタンカンのピールを加えることで、苦味を抑えた柔らかな味に仕上がりました。
爽やかな香りと適度な酸味も感じられ、暑い夏にぴったりの「75BEER ベルジャンホワイト」は、オリオンビール公式サイトから購入が可能。数量限定発売ですので、気になった人はお早めに。
【参考記事】
暑い夏にぴったりの優しく爽やかな味わい「75BEER ベルジャンホワイト」
【参考文献】「沖縄食材図鑑」(NPO法人食の風監修、楽園計画)、「熱帯くだもの図鑑」(財団法人海洋博覧会記念公園管理財団 ※現・沖縄美ら島財団)
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