沖縄の肉といえば、琉球料理にも使われる豚肉や、ステーキ店の人口比率が1位を誇る牛肉を浮かべる人が多いと思いますが、沖縄県民は鶏肉も大好きなんです。ケンタッキーフライドチキンの1人あたりの消費量は沖縄県がトップというのも鶏肉好きを裏付けています。
沖縄県の県庁所在地・那覇市の北に隣接する浦添市に、40年前から鶏の丸焼きのみを売り続けている「ブエノチキン」という店があります。このたび、オリオンビール公式通販では、ブエノチキンとコラボ! オリオンビールにぴったり鶏の丸焼きをお届けできるようになりました。
今回は、ブエノチキンさんを取材しました。
ブエノチキンの発祥と歴史
「ブエノチキン」は移民先のアルゼンチンから帰国した人が、ブエノスアイレスで学んだローストチキンの味を沖縄に持ち帰ったのが始まりです。
沖縄県産の若鶏を使用し、お酢とにんにく、ハーブなどを合わせた秘伝のタレに2日間漬け込んで、ロースターでじっくりと焼き上げたものです。
じっくり焼くことで余分な鶏の脂を落とし、ニンニクの香ばしさがありながらも、お酢でさっぱりとした味わいになっています。今ではメディアや著名人にも取り上げられたことで、爆発的な売れ行きを見せ、1日に200羽以上の鶏が焼かれています。
宜野湾市普天間で立ち上がり、その後2号店として浦添に出店していたのを、初代の店長・コウエイさんが買い取り、1982年に創業しました。
創業当時は、鶏の丸焼きが根付いてないこともあり、団地を一軒一軒売り歩くことから始まったそうです。
創業当初から番長・サチコさんと夫婦二人三脚で営み、2代目の浅野 ブエコ 朝子さん(以下、ブエコさん)は、店長コウエイさんの1人娘。元は広告代理店で働いていましたが、30歳で脱サラし、跡継ぎの道を選びました。
当時はクリスマスシーズン以外にお客様はあまり訪れず、テレビを見ながら時間を潰していたとか。焼くのに2時間近く掛かってしまうので、急にお客様が大量に押し寄せた場合には、売り切れで販売機会を失うことも多かったそうです。
それを打破したかったブエコさんは「ずっと焼いてずっと売れる状況を作ろう」と、生産状態の安定化を図ります。
まずは開設していた通販事業を強化することに。以前はヨレヨレの袋やアルミホイルで包んでいたもので対応していましたが、デザインも含め、しっかりとした包装箱を作りました。
通販に力を入れたことで、クリスマスシーズンには大量の注文が入るようになりましたが、当時は親子3人で回していたので、両親からは「もう通販はやめて!」といわれたことも。製造スタッフを増やすことで、数多くの注文に対応できるように体制を整えていきました。
順風満帆に進むかと思いきや…
小さい頃から両親の作ったブエノチキンがしっかり焼けているかを味見することがあったというブエコさん。出来立ての味は今でも忘れられないくらい衝撃的だったそうです。その感動をみんなにも味わってもらいたく、イートインスペースを作ることに着手します。店舗隣の古着店に話を持ち掛けたら、快く店舗を譲ってくれたそうです。内装などにも携わり、いざ開店というときにブエコさんは産休に。
お店は開店の告知などもまったくされていなかったので、地元民にも認知されず、大赤字に。両親がテイクアウトで売り上げた利益がイートインの赤字でなくなってしまうなど、苦い思い出もあったそうです。産休から復帰後は、継続して提供できるように価格の見直しなどを行い、赤字から脱却することに成功しました。
味の決め手は丁寧な手作業とチキン好き!
ブエノチキンは焼き上がるまで、全て手作業で行われています。鶏のお腹の中に詰める粗みじんのニンニクも手作業で行われ、1玉1玉丁寧に皮をはいでいきます。
1羽につき、1玉まるまるのニンニクを使用するので、年間で4トンものニンニクが使われるそうです。漬け込むタレのレシピは創業当初からほぼ変わらず、お酢、ニンニク、ハーブ、玉ねぎを中心としたシンプルな味付け。2日間漬け込んだ後、専用のロースター(焼き機)でじっくりと焼かれます。
材料の下ごしらえからじっくり焼かれるまで、丁寧な作業があってこそおいしいブエノチキンが出来上がりますが、一番の秘訣は作っているスタッフ全員がブエノチキン好きなこと。「チキン嫌いな人は採用するな!」と冗談が飛び交うほど、和気あいあいな雰囲気の製造現場で作られているのも、おいしさの秘密かもしれません。
お客様に喜んでもらいたいためのコラボを!
ブエノチキンはメディアにも多く取り上げられることで、さまざまな会社からコラボの打診があるそうです。しかしブエコさんは「自分が身近で触れていて、いいと思ったもの」しかコラボには踏み切らないとのこと。
沖縄雑貨や沖縄野菜など、県産品とコラボする理由については「コロナ禍で販売機会を失っている店もありますが、お取り寄せいただくお客様にも喜んで沖縄を感じてもらいたい」という思いがあるそうです。
「今回はオリオンビールさんから声を掛けていただき、実現しました。チキンとビールの相性はいいですよね。観光客はチキンを持ち帰るとホテルやビーチで、オリオンビールと一緒に写真を撮って、SNSにアップしたりするのを見るので、声を掛けていただけたことは非常にうれしいです」
最近、メディアではブエノチキンのことを「沖縄のソウルフード」として取り上げられることが多く、それは自分が目標としていたことだというブエコさん。今回のコラボでオリオンビールとセットで並べても「沖縄のものだよね」と認識されることがうれしいと喜びを語ってくれました。
今回のコラボ商品にはブエコさんが今回のために考案してくれた「ブエノチキン・オリオンビール煮」のレシピも入っています。そのまま楽しむのもいいですが、アレンジレシピでひと味違ったブエノチキンを楽しむのもおすすめです。
これからも地元で売り続けたい
2022年9月より近隣の新店舗に移転しました。今まで以上に多くのお客様が気軽にお買い求めやすくなっております。
最後にブエコさんは「家族や仲間で集まってワイワイしながらブエノチキンを楽しんでほしいです」とコメント。今後についても「通販に力を入れつつ、この場所(浦添市)で売り続けたい」と語ってくれました。
地元で長く続き愛されているブエノチキンとオリオンビールで沖縄を感じてみてはいかがでしょうか。