「君知るや名酒あわもり」
発酵や醸造に関する研究で世界的権威の一人とされた農芸化学者・坂口謹一郎(さかぐち・きんいちろう)氏が泡盛についてつづった論文のタイトルに付けられたこの名文が、現在、沖縄県酒造協同組合の構内に設置された石碑に刻まれています。
そんな泡盛の沖縄における歴史は古く、江戸時代の1671(尚貞3)年、徳川将軍家の献上目録の中に初めて「泡盛」の名前が登場。このことから、江戸幕府に派遣された琉球国中山王府の慶賀使節である“江戸上り”で沖縄産のお酒が将軍家に納められていましたことが分かります。
琉球王国時代に泡盛製造を許された「首里三箇」
首里城を中心とした琉球王国の時代、泡盛製造は“首里三箇”と呼ばれた崎山、赤田、鳥堀の村に限られていました。その理由としては、王府の近くで管轄がしやすかったというのはもちろんですが、この辺りに泡盛造りのための豊富な水があったことが挙げられます。今でも首里城の瑞泉門の脇に「龍樋(りゅうひ)」と呼ばれる湧水が出ていたり、首里城内の御用水に「仲之川」の水が使われていたり、また、水が必要な手すきの琉球和紙が首里で作られ現在でも工房があることからも分かりますね。
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沖縄戦前、首里には100以上の酒造所があった
首里での泡盛造りはその後発展を遂げ、沖縄戦以前には100以上の酒造所がありました。そして、1945年に突入した沖縄戦で泡盛は危機を迎えます。泡盛造りがストップしてしまったばかりか、泡盛製造になくてはならない黒麹菌が消滅してしまったのです。
1946年に県内で造られた五つの官営酒造廠(しょう)の一つ、首里酒造廠(現在の咲元酒造)を取り仕切っていた故・佐久本政良(さくもと・せいりょう)氏は、泡盛を造る際に使っていた、蒸した米を広げて黒麹をまいていた稲わらの茎で編んだむしろ・ニクブクを発見しました。「ひょっとしたら黒麹菌が生き残っているのでは」という淡い期待が見事に的中します。それから黒麹で造る泡盛は再び興隆していきます。
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現在の首里での泡盛造り
戦後、1962年の酒造組合の名簿には、首里三箇の崎山町には瑞泉酒造、城間酒造、鳥堀町には咲元酒造、喜屋武幸誠酒造、鉢嶺酒造(当時は赤田町の酒造所はなかった)の5酒造所が登録され、ほかにも、首里には寒川町の琉球醗酵工業、石川酒造、末吉町の沖縄酒類醸造もあり、8つの酒造所がありました。
その後、2019年までには、崎山町の瑞泉酒造、赤田町の識名酒造、鳥堀町の咲元酒造の3社が営業していましたが、2020年に咲元酒造が恩納村(おんなそん)の観光施設・琉球村に移ったため、現在、首里三箇では瑞泉酒造と識名酒造の2酒造所、首里エリアとしては、かつて鳥堀で創業し、現在は末吉町にある瑞穂酒造の計3酒造所が営業しています。
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公式通販で首里の泡盛&オリジナルカップをチェック!
オリオンビールの公式通販でも首里にある酒造所の泡盛を販売しています。
瑞泉酒造の「Zuisen Legare(レガーレ)」は南国のパッションフルーツが香るスパークリング泡盛リキュール。月間出荷本数はわずか1,000本という貴重なお酒です。商品名の「レガーレ」はイタリア語で「結ぶ」を意味していて、「聖なる愛」「信じる心」という花言葉を持つパッションフルーツと、賞味期限のない泡盛ということで「永遠の愛」「永遠の絆」を表現しました。「レガーレで乾杯することで、人々が愛で結ばれますように…」そんな願いを込めてすてきな人と乾杯してはいかがでしょうか。
そして、瑞泉酒造の「尚 瑞泉 SHO ZUISEN(40度、720ml)」も扱っています。泡盛の製造法としては常識を覆す“3回蒸溜法”を採用し、ハードリカーでありながらも米麹のやさしい甘みと華やかな香りを引き出すことに成功しました。
洋梨、桃、バナナを思わせる果実感あふれる香り、米の持つ甘くやわらかな味わい、華やかに絡み合いながらもテイストはドライという、職人の感性が光る1本に仕上がっています。
よく冷やしたタンブラーグラスに氷を入れて、「尚 瑞泉 SHO ZUISEN」をトニックウォーターで2:8の割合で割り、薄くスライスしたライムを添えるのがおすすめです。
「尚 SHO」シリーズとしては、瑞穂酒造の「尚 瑞穂 SHO MIZUHO(40度、720ml)」も販売中。ミントのような爽快な香りと、優しくクリーンな印象を持った次世代の泡盛です。特殊な酵母を使用した原酒を一部ベースに、蒸溜を重ねて製造していて、割材との相性抜群なカクテルベースに優れた一品。ソーダ割りや、緑茶、ほうじ茶、ジャスミン茶などのお茶割りで食事とのマリアージュが楽しめます。
ぜひこれらの泡盛を、創業約70年になる琉球ガラスの老舗工房「奥原硝子製造所」が作るオリオンビール公式通販限定の琉球ガラス「琉球ガラス タルカップ(約300ml)」で味わってみてください。
【参考記事】
泡盛のおいしい飲み方は?水割りや炭酸割りなど、おすすめを一挙紹介!
参考文献:「泡盛をめぐる沖縄の酒文化誌」(萩尾俊章著、ボーダーインク)
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