このたび、オリオンビールのチューハイブランド「WATTA(ワッタ)」と、沖縄のファストフードチェーン「A&W」とのコラボレーションが実現しました。
沖縄で“エンダー”の愛称で親しまれている「A&W」は、沖縄を代表するファストフードチェーンの1つ。県民だけでなく観光客にも支持される「A&W」を深掘りしてみましょう。
歴史は屋宜原店から始まった
沖縄に「A&W」の1号店ができたのは、1963年の11月1日。沖縄が日本に復帰する前のことでした。場所は、現在の北中城村(きたなかぐすくそん)の屋宜原(やぎばる)。現在の屋宜原店には今も当時の面影が残っています。
当時は米軍基地内にファストフード店がなく、1960年代の沖縄におけるアメリカ人社会は既にマイカーブームとなっていて、“ドライブインレストラン”としてスタートした屋宜原店は圧倒的支持を得て大盛況となりました。
「A&W」を運営するエイアンドダブリュ沖縄株式会社の事業本部マーケティング次長の西平佐和子さんに当時のエピソードを聞いたところ、「創業者の平良幸雄(現会長)の話によると、まだ、ファストフード店など日本に1軒もなかった時代で、何もかもが新鮮で、見たこともないもの、食べたことのないものでした。でもそれは戸惑いではなく、発見でした。米軍嘉手納基地に近い立地の1号店は、連日多くのアメリカ人で賑わっていたそうです」と、当時の様子を教えてくれました。
「ドライブインスタイル」がA&Wのトレードマーク
オーダースタイルは、現在のファストフードでも主流になっている、いわゆる“ドライブスルー”ではなく、それぞれの駐車場の枠の横にメニュー表とマイクが付いていて、車に乗ったままマイクに向かってオーダーすると、でき上がった商品をスタッフが車まで届けに来てくれる「ドライブインスタイル」。
「ドライブスルーとは違った、車に乗ったまま注文・その場で食事を楽しめる、古き良き時代のアメリカの雰囲気を味わってください」と、現在もこのドライブインスタイルは県内数店舗に残っています(屋宜原店、牧港店、名護店、泡瀬店、美浜店)。
人気ドリンク「ルートビア」の誕生のきっかけは“お見舞い”!?
この「A&W」の代表的な飲み物の一つに「ルートビアROOT BEER」があります。ビールと言ってもアルコールは含まれてなく、約14種類以上のハーブを原料としたドリンクで、アメリカ本社から原料を輸入し、各店舗でサーバーからでき立てを提供しています。
「このルートビアの起源は、1919年のアメリカ。薬局の店員だったA&Wの創業者、ロイ・アレン氏は、病気の友人のためにアリゾナ州の薬剤師が考案したレシピを基に、オリジナルのヘルシードリンクを作りました。それが、約14種類ものハーブのエッセンスが詰まった口当たりのよい炭酸飲料、ルートビア(Root=根、Beer=ビール)です」と、元々はお見舞いのために作ったヘルシードリンクだったんです。
今回、「WATTA」とコラボした「オレンジドリンク」も人気メニューの一つ。「フロリダ産オレンジを使用したオリジナル濃縮液をアメリカから輸入し、各店舗で毎日調合・販売しています。発売当初から味を変えずに、提供しつづけています」というこのオレンジドリンク。実は、A&Wのドリンク類では一番の売り上げを誇っています。
「A&W」の人気メニューをチェック!
現在、沖縄県内のA&Wは27店舗。西平さんに県民、観光客の人気メニューを聞くと、「県民は、サンド類はハムチーズサンド、チキンサンド、サイドメニューでは、チリチーズカーリーフライ、オニオンリング、スーパーフライ、ドリンクは、ルートビア・オレンジが人気です。一方、観光客は、The A&Wバーガー、The A&Wオレンジチキンサンド、そして、チリチーズカーリーフライ、ルートビア、オレンジが人気ですね」とのこと。ドリンク類は、やはりルートビア、オレンジが人気です。
「A&W」グッズも要チェック!
A&Wの店舗に行くと、気づくことがあると思います。それは、オリジナルグッズの豊富な点(グッズ取り扱い店舗は公式サイトを参照)。A&Wのキャラクター・ルーティーやロゴをあしらった、Tシャツ、キャップ、ぬいぐるみが人気です。
県民の食生活を支えてきたA&W。こういう歴史を知った上で店舗を訪れてみると、新しい発見があるかもしれません。