2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つとして世界文化遺産に登録されたのが、南城市にある「斎場御嶽」(せーふぁうたき)。琉球の創世神・アマミキヨによってつくられたと伝えられる、琉球王国最高の聖地です。
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琉球王国最高の聖地・斎場御嶽の歴史
「御嶽」とは、南西諸島などに広く分布する「聖地」の総称です。その中でも、斎場御嶽は琉球王国最高の聖地として、王府が直接管理していた重要な場所でした。
琉球王国時代には、国の祭祀をまとめる最高神女・聞得大君(きこえおおきみ)の就任儀式「お新下り」(おあらおり)の場所でもあった斎場御嶽。御嶽内には、イビと呼ばれる6カ所の聖域があり、そのうち、大庫理(うふぐーい)、寄満(ゆいんち)は、首里城内にある建物や部屋と同じ名前を持つことから、首里城との深いかかわりを感じさせます。
また、沖縄には、琉球の創世説話にかかわる聖地を巡拝する「東御廻り」(あがりうまーい)という行事があります。もともとは国王の巡礼が起源といわれていますが、斎場御嶽はその参拝地の代表格。琉球王国時代から今日に至るまで、大切に守り受け継がれてきた神聖な祈りの場なのです。
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受け継がれる祈りの場・斎場御嶽の見どころ
大庫理(うふぐーい)
御門口(うじょうぐち)と呼ばれる参道の入口を抜け、草木がうっそうと茂る中を進むと、最初に現れる拝所が「大庫理」です。大広間や一番座という意味を持ち、足元には一段高い石畳の祈りの場があります。
寄満(ゆいんち)
頭上にせり出す大岩が大きな存在感を放っているのが「寄満」です。「寄満」は琉球王国の用語で“台所”を意味します。ここで実際に調理をしたわけではなく、貿易が盛んだった当時の琉球で、各地からの交易品が集まる「豊穣の満ち満ちた所」と解釈されています。
シキヨダユルアマガヌビー、アマダユルアシカヌビーの壺
2本の鍾乳石から滴り落ちてくる「聖なる水」を受ける2つの壺が置かれています。この水に触れることはできませんが、琉球王国時代から脈々と続く時の流れを感じさせる場所です。
三庫理(さんぐーい)、チョウノハナ
「斎場御嶽」といえば、この景観を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。2つの大きな岩が左右に支え合い、三角形の神秘的な空間をつくり出しています。この空間は、シキヨダユルアマガヌビー、アマダユルアシカヌビーの壺のすぐ左手にあります。
三角形の奥の突き当たり部分が三庫理、右側の岩の上がチョウノハナです。それぞれが拝所となっており、祈りのための香炉が置かれています。
※当面は三密回避のため、三庫理内への参拝者の立ち入りは不可となっています
ちなみに、参拝の入口となる御門口からは、海のかなたに久高島を望むことができます。琉球の創世神・アマミキヨが最初に降り立ったとされるのが久高島。「神の島」とも称され、沖縄の人々にとっても特別な島となっています。
斎場御嶽の入場チケットは、御嶽から徒歩10分ほどの場所にある「南城市地域物産館」で販売しています。御嶽内は急な傾斜や階段があるため、歩きやすい服装や履物で訪れるのがおすすめ。琉球王国の歴史に思いをはせながら、ぜひ足を運んでみてください。
「斎場御嶽」
住所:沖縄県南城市知念久手堅539(南城市地域物産館)
電話:098-949-1899
URL:https://okinawa-nanjo.jp/sefa/
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