知っておくべき聖地や特産品から島のルールまで|神の島「久高島」

久高島は手つかずの神秘的な自然と琉球開びゃく神話が息づく神の島

沖縄では“神の島”として崇められている久高島(くだかじま)。琉球開びゃく神話や神事に彩られるこの島には、知っておくべき聖地がたくさんあります。今回はそんな久高島について詳しく紹介します。

久高島ってどんな島?

南城市の安座真港(あざまこう)から船でアクセス。斎場御嶽(せーふぁうたき)などからも島影を臨むことができます/©OCVB

久高島は沖縄本島の知念岬の東の海上5.3kmにある、周囲約8.0kmの小さな島。沖縄では琉球王国の時代から特別な島で、島自体が沖縄最高峰の聖地です。

琉球開びゃく始祖・アマミキヨが降り立った島として、琉球の神話や神事が今も息づく島で、島民はその歴史や神事を大切に守り継いでいます。

島ではルールを厳守しよう

久高島の集落では島人が生活しています。ルールを守って節度ある行動を取りましょう

久高島は神の島です。この島を訪れるときは、守るべきルールがいくつかありますのでここで紹介しておきます。

島にお邪魔するという謙虚な気持ちで

久高島では「島にお邪魔する」という謙虚な気持ちを持って行動しましょう。島の人に出会ったら挨拶をしてください。島では子供たちもみんな笑顔で挨拶を交わします。

また、大切な文化を守り受け継ぎながら暮らしている島人には、生活の中にたくさんの決まりごとがあります。この決まりごとを冒すような行為は厳禁ですので、島の人の言葉には必ず耳を傾けてください。無断で畑や敷地内に入るのも禁止です。

立ち入り禁止の場所へは近づかない

島には立ち入れない場所があります。御嶽(ウタキ)や拝所などはもちろん、それ以外にも立ち入り禁止の場所があります。こちらもあらかじめ確認をしておきましょう。

久高島からの自然物の持ち出しは厳禁!

神の島・久高島の自然物は、小さな石一つ、砂一粒でも島から持ち出すことができません。石や砂のほかにも、サンゴのかけらや木の葉なども一切持ち出し禁止です。

メーギ浜以外の海は遊泳禁止です

徳仁(とくじん)港のすぐ北側にあるメーギ浜以外はすべて遊泳禁止。海浜は大切な信仰の場でもあるので、騒ぐのはもってのほかです。海を訪れる際は気をつけましょう。

また、メーギ浜も沖縄県条例による海水浴場ではありませんので、泳ぐ人は自己責任で。また、水着姿や上半身裸などの露出も島内では控えましょう。

ヤシガニを捕らない

ヤシガニは環境省が指定している絶滅危惧種の稀少生物ですが、最近では島外からの捕獲者によってその数が減少しています。島内で見つけても捕獲しないこと。ヤシガニに限らず、島内の動植物は神の島のもの。大切に扱いましょう。

久高島へのアクセス方法

沖縄本島から約25分でアクセス可能/©OCVB

久高島へは沖縄本島の南部にある南城市の安座真(あざま)港からフェリーか高速船でアクセスします。所要時間は約25分で、大人片道760円、往復1,460円となっています。詳しい時間などは久高海運のウェブサイトで確認を。

◆久高海運のページはこちら

島の知っておくべき聖地と特産品8選

集落から少し離れた場所にあるスポットもあるので、島内移動は自転車がおすすめ。港近くの売店でレンタルできます

久高島には知っておきたい聖地や島で味わいたい特産品があります。ここではその中から8つの聖地や特産品を厳選して紹介します。

ハビャーン(カベール岬)

カベール岬とも呼ばれる聖地・ハビャーン。集落からは外れた場所にあります

島の北の端にある岬で、琉球開びゃく始祖・アマミキヨが降り立ったとされる神聖な場所です。東シナ海の大海原を見渡せる絶景スポットでもあるので、ぜひ訪れてみてください。ただし、島の祭祀(さいし)のある日は立ち入り禁止となります。

ハビャーンの植物群落

ハビャーンへと続く1本道の周囲に植物群落が広がっています/©OCVB

沖縄古来の植物が生い茂る場所で、沖縄県の天然記念物に指定されています。ハビャーンへ行く道の周辺に広がっていて、アダンやクバなどが生い茂っています。これらの植物を手にかけたり、持ち帰ったりすることは厳禁です。

イシキ浜

琉球の農耕の始まりの場所。聖なる浜なので、遊泳などは一切禁止です

琉球の五穀発祥伝説の浜で、久高島の中でも特別な場所とされているのがイシキ浜。ニライカナイから五穀の種が入った壷がこの浜に流れ着いたという伝説が残っていて、入り口には御嶽があります。もちろん海水浴などは一切禁止。

ロマンスロード

レンタサイクルで訪れたい、島の自然があふれる遊歩道

島の西海岸に整備された600mほどの遊歩道で、サイクリングにもおすすめ。久高島らしい野性的な植物が生い茂る小道や、エメラルドブルーの海が眼下に広がる絶景を堪能できる場所です。

フボー御嶽

うっそうとした森もすべて立ち入り禁止。見学は入口のみ

沖縄最高峰の聖地で琉球七御嶽の一つ。久高島の中でも神女(ノロ)以外は全面立ち入りが禁じられている祈りのための場所です。久高島の大切な神事・イザイホーの祭祀(さいし)場でもありました。現在は入口のみ見学できます。

大里家(ウプラトゥ)

集落の外れにたたずむ沖縄屋敷。拝所でもあるので見学するときは厳かな気持ちで/©OCVB

集落の外れにある沖縄屋敷で、島で一番古い家。久高島内で農耕を始めたアカツミーとシマリバーが祀られています。また、島の神女・クンチャサヌルと恋仲になった琉球国王・尚徳(しょうとく)王が暮らしていたという言い伝えも残っています。

外間御殿(ウフグイ)

行事や神事を行う外間御殿。島の神事や行事はほとんど一般見学できません

天頭神、太陽神・玉礼乃神、月の神・松乃美神、竜宮の神・ニーレ大主神など7つの神を祀っている御殿。島の祭事や行事ごとの多くがここで行われます。島に子供が生まれると、この場所でナーリィキという名付けも行われます。

イラブー

神からの恵みでもあるイラブーを使ったイラブー汁/©OCVB

久高島の特産品の中でもおすすめしたいのがイラブー。イラブーとはエラブウミヘビのことで、久高島では漁を許された神女が手づかみで捕獲し、バイカンヤーという薫製小屋で薫製します。

イラブーの漁や薫製は神聖な行為とされているため、神女の中でも限られた人しか行うことができません。かつては、島の最高権力者である久高ノロにしかできない行為だったとか。

そんな神の島の恵みであるイラブーは、イラブー汁にして食べられています。久高島の港の近くにある「お食事処とくじん」で味わうことができますよ。琉球王国時代から滋養強壮の珍味とされたイラブー汁は、カツオダシにも似た深く濃い味わいで美味。ぜひ島で食べてみてくださいね。

今回は神の島・久高島について紹介しました。久高島には沖縄の大切な聖地があり、島を訪れる際に守るべきルールも存在します。

久高島を理解し、ルールを厳守しましょう。最初に訪れる際は、久高区長認定の島人ガイドと一緒に巡ると安心ですよ。お問い合せや予約はウェブでご確認を。

◆南城市久高島観光交流サイト「久高のシマ時間」はこちら

参考書籍:「地球の歩き方 島旅~沖縄本島周辺15離島~」(ダイヤモンド社)
参考サイト:南城市久高島観光交流サイト「久高のシマ時間

島の風景に想いを馳せながら、ご自宅でも沖縄気分をお楽しみください。

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