沖縄が本土復帰を果たした1972年前後の沖縄本島北部などを舞台に物語が繰り広げられている、NHK朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』。黒島結菜さん演じる比嘉暢子(ひが・のぶこ)が、深い絆で結ばれた家族と愛する沖縄を思いながら、料理人になるという夢に向かって奮闘するという物語です。
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番組内に毎回おいしそうな沖縄料理がたくさん登場することでも話題となっていますが、今回はその中から特に気になる10品をピックアップして紹介していきます!
ゴーヤーチャンプルー
沖縄でも食堂や居酒屋のほか、家庭でもよく食べられるポピュラーな料理で、沖縄を代表する郷土料理といっても過言ではないかもしれません。物語の主人公・暢子の家でも、晩ご飯にたびたび登場する料理です。
沖縄では、さまざまな具材を混ぜ炒めする料理をチャンプルーと呼びます。一方で、シンプルな炒め物は「タシヤー」、炒め煮するものを「イリチー」と呼びます。このタシヤーやイリチーとチャンプルーはかなり似ているのですが、大きな違いは島豆腐が具材に入っているかいないかという点。具材に島豆腐が入っていないものはチャンプルーとはいいませんので、ゴーヤーチャンプルーの具材にはゴーヤーと島豆腐は欠かせません。
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ソーメンチャンプルー
本土ではソーメンチャンプルーという料理名が広く知られていますが、ソーメンの炒め物に豆腐は使いません。そのため沖縄では「ソーミンタシヤー」と呼ばれるのが一般的。その名の通り、ゆがいたソーメンとニラやツナを塩胡椒で味付けて炒め、カツオダシを加えて煮るというシンプルな料理。沖縄では、週末の昼ご飯にお母さんがチャチャッと作ってくれる料理というイメージです。
沖縄ではお中元やお歳暮的な感じで、お盆や正月などにソーメンやツナを贈りものにすることが多く、各家庭にはいただきもののソーメンやツナが常備されているのが一般的。そのため、台風で外に出られない非常時にもソーメンチャンプルーが食卓に登場します。
上手に作るコツは、最初にソーメンを茹で過ぎないこと。茹で過ぎると仕上がりがべちゃっとしてしまいます。物語の中でも、就職が白紙になり落ち込んでいる暢子が作ったソーメンチャンプルーは、麺の出来がイマイチでしたね。
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マース煮
物語の中で、暢子一家が暮らす「やんばる村」の共同売店の善一(山路和弘)さんから魚をお裾分けしてもらったときの晩ご飯として登場したのがマース煮です。
マースとは沖縄の言葉で塩のこと。マース煮とは魚の塩蒸しのことで、沖縄の代表的な魚料理の一つです。新鮮な白身魚に塩をまぶし、水が出たところでそのまま蒸し煮します。あっさりと食べられる優しい味わいの魚料理で、居酒屋などのメニューとしても人気があります。
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イカスミ汁・イカスミジューシー
日本(当時)から引っ越してきた青柳和彦(宮沢氷魚)さんとお父さんを比嘉家に招待するシーンで、ごちそうとして登場する料理の一つがイカスミ汁でした。沖縄ではイカスミは「サギグスイ(下げ薬)」といい、解毒作用があるといわれています。そのため、のぼせや頭痛、産後の回復に良いとされ、食されてきました。
イカスミ汁は、白イカのスミを使って作る真っ黒な汁物。イカの身と豚肉、ニガナを煮込んで塩で味を調え、最後にスミを入れて混ぜ合わせます。スミを入れてから火を入れ過ぎると臭みが強くなるので家で作るときはご注意を!
ジューシーは、沖縄風炊き込みご飯のこと。イカスミジューシーとは、その名のごとくイカスミを加えたジューシーです。最近では、沖縄そばをイカスミで炒めたイカスミそばなども人気があります。
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テビチ
物語の中では、比嘉家の子供たちが飼っていた豚のアババをつぶして作った料理が食卓に並ぶというシーンが印象的でした。比嘉家のお父さんとお母さんが子供たちに「命をいただく」ということを教えていたように、沖縄ではその命に感謝しながら、余すことなくブタをいただきます。
たくさんある沖縄の豚肉料理の中でも、テビチは非常にポピュラーな料理。ブタの足の部分を泡盛などで煮付けます。脂肪が少なくコラーゲンがたっぷり含まれていて、プリプリとした独特の食感が特徴的です。
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沖縄そば
沖縄県民のソウルフードともいうべき料理が「沖縄そば」。物語の中でも、比嘉家のお父さん直伝の手打ち沖縄そばは、暢子の得意料理として描かれています。
沖縄そばの麺は小麦粉をかん水で練って作ります。スープは豚骨やカツオ節などからダシを取り、具材はブタの三枚肉とカマボコ、ネギ、紅ショウガがスタンダードなスタイル。県内には沖縄そば店がたくさんあるので、沖縄県民もお気に入りのそば店でそばを食べますが、家で手作りするという人も珍しくありません。沖縄では給食のメニューとしても登場する、かなりポピュラーな料理です。
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クーブイリチー
クーブイリチーとは昆布を使った沖縄料理。千切りにした昆布を炒め、こんにゃくやかまぼこ、ゆでたブタの三枚肉などと一緒に、ダシとしょうゆ、砂糖などで煮込みます。
主人公の暢子と文通をしていた和彦くんの手紙の中に、思い出の沖縄料理の一つとしてその名前が登場します。クーブとは沖縄の言葉で昆布のこと。昆布と「よろこぶ」という言葉をかけて、結婚式や正月などのハレの日に食される料理です。
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タンナファクルー
タンナファクルーは、黒糖、小麦粉、卵で作る素朴な沖縄の菓子。物語の中では、就職のことで悩んでいた暢子が、友達と話しながらつまんでいました。 タンナファクルーという変わったネーミングは、この菓子を発案した「丸玉」の創業者・玉那覇さんに由来したもの。創業者のあだな「クルー(色黒)」と名字をあわせて「タンナファクルー(玉那覇色黒)」となったそうです。現在でも丸玉の店舗が那覇にありますので、お土産に購入してみてはいかがでしょうか。
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サーターアンダーギー
沖縄を代表する琉球菓子がサーターアンダーギー。小麦粉と卵と砂糖を練って油で揚げた、沖縄風のドーナツです。揚げると生地が割れて、チューリップの花のような形になります。
沖縄では家庭で手軽に作られるおやつですが、行事ごとの際には伝統ある琉球菓子としても振る舞われます。物語の中では、暢子が陸上部の新城正男(秋元龍太朗)くんとサーターアンダーギーを懸けて、かけっこ勝負をするというシーンがありました。
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ヒラヤーチー
暢子の家の晩ご飯にも登場したヒラヤーチーは、小麦粉を卵とダシで溶いたものに、ネギやニラを加えて焼くというシンプルな料理です。
冷蔵庫の残り野菜で簡単に作ることができるお役立ち料理で、ウスターソースなどをかけて食べるので、沖縄風お好み焼きや沖縄風チヂミなどといわれることもあります。家にある材料でパパッと作れるので、ソーメンチャンプルー同様に台風などで外へ出られないときの料理としても重宝します。
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「ちむどんどん」で登場した料理はどれもおいしそうでしたね。また、「東京編」もスタートし、今後の暢子の成長も楽しみです。
【参考文献】「沖縄コンパクト事典」(琉球新報社)
【参考サイト】農林水産省「うちの郷土料理」
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